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金属アレルギーってご存知ですか?

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金属アレルギーの症状と対策!原因は口の中にあった!?

金属アレルギーは、どんな体質の人でも突然発症する可能性があると言われます。
近年、金属アレルギーは増加する傾向にあり、その予備軍も含め1,000万人(日本人の12人に1人)と云われています。

なぜ突然金属アレルギーが発症するのか?また、どうすれば治るのか?

金属アレルギーについて徳島大学大学院医歯薬学研究部顎機能咬合再建学分野助教の細木真紀先生に詳しく教えていただいたのでその中から症状や対策・予防方法についてお話します。皆さんの少しでも参考になれば幸いです。

金属アレルギーのメカニズム

金属が汗に触れると、金属成分が溶けだし金属イオンとなります。この金属イオンが皮膚から浸透しタンパク質と結合することでもともと体内に元々無いタンパク質が出来上がります。
ご存知のように異物が体内に入ってくると白血球が退治してくれます。この時、肌に炎症ができたり膿がでたりしますが、これは健康な生物がもつ免疫という作用ですので問題はありません。
普段は私達を守ってくれている白血球の一種T細胞が金属イオンの結合したそのタンパク質を「敵」とみなすことで金属アレルギーが発症してまうわけすね。
こうなると金属が汗に溶け出して体内に入るたびにとアレルギー反応がでてしまうのです。
そして、一度「敵」と定められると治ることがまず無いと言われています。金属アレルギーになると、ほとんどの人は一生治らないのもそのためです。

なぜ、金属アレルギーになる人とならない人がいるのか?

ではなぜなる人とならない人がいるのか?という疑問が生まれますが、
それは人それぞれの許容範囲に関わります。人によって許容範囲が決まっていてそれを超えるまでは取り込み続け一定ラインを超えた瞬間にコップから水が漏れだすようにアレルギーが発症するのです。
つまり、今金属アレルギーでない人も長期間金属イオンを取り込み続けていたらいつか金属アレルギーになってしまう可能性があるのですね。

2種類の金属アレルギーがあります。

金属アレルギーには、局所性と全身性があります。
局所性というのは、
金属が触れている部分が炎症を起こします。
アクセサリーなどで起こるものもコレに当たります。
全身性というのは、
体内には入った金属が
どこか別の場所で症状を引き起こす事を言います。
例えば、歯の中に金属の詰め物をしてる場合、これが、唾液に溶けて体内をまわり汗として手や足から出ると手足に炎症や湿疹がでたりします。(掌蹠膿泡症)
手だけでなく、汗がでるところならどこでも症状がでる可能性があります。
また口の中が荒れて味がわかりづらくなったりすることも。これらは、金属が原因と分かりづらため
皮膚科でもただの肌荒れと誤診されることもあるようです。

主な金属アレルギーの原因と症状

金属アレルギーには以下のような主症状があります。
• 湿疹ができる
• じんましんができる
• 強いかゆみ

アクセサリーが原因に

指輪・時計・ピアス・ネックレス・ベルトなどアクセサリーはほとんど金属製。
これらを汗をかくような日に長時間つけていたら危険です。
特にピアスは、直接、細胞や血液に触れるため金属アレルギーの原因になりやすいです。
金属アレルギーの原因の約8割がピアスと言われています。金属アレルギーになるとアクセサリーを付けられないかというとそういうわけではありません。
全ての金属にアレルギー反応が出るというものではなく人によって違うんですが、特定の金属にだけ出るんですね。これらは後ほど書きますが、病院でパッチテストを行って調べることが出来ます。

金属アレルギーを起こしやすい金属と起こしにくい金属

金属にはアレルギーを起こしやすい金属と起こしにくい金属があります。
原因となりやすい主な金属コバルト、スズ、パラジウム、インジウム、イリジウム、クロム、ニッケル、水銀などです。逆に起こしにくい金属は、金・銀・プラチナなどです。
金・銀・プラチナなどのような金属は非常に安定していて汗など溶けにくい為、金属アレルギーの心配が少ないんですね。
ただし、金・銀・プラチナなどで作られていても
100%金属アレルギーにならないという訳ではありません。
金・銀・プラチナでアレルギーになる人もいますし含まれている微量の起こしやすい金属でも起こすことがあります
また、これらを使った作ったアクセサリーでよくあるのがメッキです。
外面は金・銀・プラチナでも、中身は別の金属なので、メッキが剥がれた時に問題がでますので気をつけましょう。

歯科金属も原因に

現在の保険治療による差し歯、ブリッジ、かぶせ物は金属を使用している場合が多いです。また、メタルボンドと呼ばれる自費治療にも土台に金属を使用しているため、アレルギーの方には金属フリーのものが推奨されています。これらによって、全身性の金属アレルギーの症状が現れます。
どこにどんな症状が出るのか分からないので厄介です。

食べてるものが原因のことも

肌に金属を付けていなくても
金属アレルギーになる可能性はあります。
例えば、チョコレートやコーヒーなどには、ニッケルが含まれてます。このニッケルに反応してしまうんですね。
また、缶ジュースにも問題があります。缶の金属成分がジュースに溶けてしまっていることがあります。
酸味が強い系のジュースですと金属が溶かされやすいので、一層注意が必要です。

まだ症状がないなら!金属アレルギーの予防方法

口内に金属がある人は、
いつ金属アレルギーになってもおかしくありません。
一度なってしまえば、もしかすると一生その悩みを抱えて生きていかなくてはなりません。
そうなる前に歯科医院に行き、金属を除去してもらうのもひとつの手です。
今は、金属アレルギーの心配のないセラミックを使った治療が出来ますので取り替えてもらえばひと安心です。
また、アクセサリー系の素材にも気をつけましょう。
肌ににやさしい、金や銀やプラチナやチタンなどの素材で作られているものを選ぶとよいでしょう。
また、汗をかくような日は、アクセサリーを外すようにしましょう。
こうすることで金属イオンを体内に取り込まないようにすることが大切です。

なってしまったら!金属アレルギー対策・治療方法

金属アレルギーになってしまったら

原因となっている金属を特定して、それを付けないようにすることが大切です。
まず、どの金属に反応するかを確認するには皮膚科でパッチテストを受けると出来ます。
パッチテストは背中に20種類くらいの金属を溶かした薬を皮膚に貼り付けて1周間ほど様子を見ます。
そうして、反応のある金属を特定するのです。
1000円~2000円程度でうけられる気軽な検査なので是非受けてみてください。

特定ができたら

その素材のアクセサリーを付けなくすれば皮膚は治っていきます。
問題は、口内で使われていた場合です。
この場合は自分ではどうしようもありませんので歯科医院で事情を説明しセラミックなどに変えてもらうなどの処置が必要です。
金属アレルギーの治療は、アレルギー源となっている歯の金属を、お口の中からすべて取り除くことですが、アレルギー源の金属をすべて取り除いても、症状が治るまでには数ヶ月、人によってはそれ以上かかることがあります。
それぞれのお口の状態により異なりますが、金属が含まれる歯を、金属アレルギーの心配が無いセラミック冠に置き換えることも、治療の1つの選択肢となるでしょう。

まとめ

金属アレルギーになってしまったら、
早めに金属を特定すること、
そしてその金属を体に付けないことが大切です。
食べ物や、歯の詰め物の可能性もあるので
忘れないようにしましょうね。