よくある質問

歯科Q&Aについて

皆さまからの「よくある質問」や「歯にまつわるQ&A」をまとめてみました。
他にも何か聞いてみたいことなどがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

抜歯しました。ブリッジを検討していますが、奥歯でもできますか?

回答:ブリッジは両隣の歯を支えに固定するのが望ましく、片側だけで支えると歯が傷みやすく耐久性も低くなります。

失った歯を中央にしてそこにダミーの人工歯を置き、両脇の歯に連結型の被せ物をする治療法が「ブリッジ」です。

ブリッジのメリットは

①つけたままなので違和感が少ない

②噛む力がご自身の歯とほぼ変わらずに落ちない

③見た目に関しては自費治療で治療されると自然な仕上がりになり審美性が高い

の3点です。

反対にブリッジのデメリットは

①両隣の歯に被せ物をするので、もし支えにする歯に被せ物が入っていない場合は新たに歯を削る必要がある

②連結している部分に汚れがたまりやすいため、しっかりと意識してお手入れをして頂く必要がある

③支えになる歯に通常より負担がかかるため、支える歯の寿命が短くなりやすく、お口の寿命を考えると少し不利になる

の3点となります。

もし歯を削る量を減らしたい場合、「接着ブリッジ」という選択肢もあります。

これは最近の接着技術の進歩で可能になった治療方法です。メリットは歯をほとんど削らずに歯の裏側からセラミックなどを張り付けられる点です。したがって、被せ物をするブリッジに比べると削る量が少なくて済みます。また、見た目も非常に審美的です。

ただし、デメリットとしてほとんどが自費治療である点と、削っている量が少ないのでどうしても普通のブリッジと比較してはがれやすい傾向があることです。

また、ブリッジが難しい場合は一番奥の歯を失ったときです。一番奥の歯をブリッジで補おうとすると後ろにてこの力がかかり、支えの歯に多くの負担がかかることになります。

この記事のお問合せ先:大阪市阿倍野区西田辺のいえさき歯科

電話:06-6624-4500

HP:www.iesaki.net

保険治療と自費治療の入れ歯の違いを知りたいです。ますか?

回答:それぞれのメリットとデメリットと、自費治療ならではの特徴をお話しましょう。

保険の入れ歯と自費の入れ歯の一番の違いは負担する費用の違いと単純に解釈される方もおおいでしょうが、最大の違いは「最終ゴール」です。最終ゴールを高くするか最低ラインにとどめるかの違いと解釈してください。最終ゴールとはみなさんそれぞれの機能、見た目、費用などから選択することになるかと思います。簡単に2つの違いをお伝えするなら下のようになります。

保険治療の入れ歯:安価で最低限痛くなく噛める入れ歯

自費治療の入れ歯:目立たず噛みやすく、長持ち、不快感少ない

保険治療では、いくつかの治療に限界があります。一方で自費治療の入れ歯には、別名自由診療と言われるように、何でも制限なく自由に材料や方法を選択できるため、様々なこだわりが反映できるメリットがあります。

①材料が制限されない

保険治療の入れ歯は国から使う材料が指定されています。入れ歯が基本プラスチックでできていますので、剛性(強さ)が弱く、たわみが大きいので、ぴったり合っていたとしても噛むたびに微妙に揺れがあり、留め金がかかっている歯を揺らして負担をかけます。噛みづらそうだなとわかっていてもまた、留め金に使える金属が限られているので、思った機能が出せない、噛んだら歯ぐきが痛いといったことがあります。

一方、自費治療の場合は優れた材料を制限なく使用できるため、主に金属をメインとした入れ歯になります。金属であれば、薄くても剛性(強度)が強く歯を揺らせることも少ないので、留め金のかかった歯への負担が少なく、入れ歯自体も留め金のかかった歯の寿命も長くなります。

②機能的な型どりができる

象りする材料がほぼ決まっているため、保険治療の入れ歯ですと、歯ぐきに適切な圧をかけた機能的な型どりができないため、装着後使っていくと局所に圧がかかって痛みが出やすいことがあります。

一方で、自費治療の場合は適切な圧をかける材料を使用できるため、機能的な型どりが可能です。結果的に痛みが少なく、フィットした入れ歯が出来上がります。

③見た目を選ぶことができる

保険治療の入れ歯では使える人工歯も決まっているので、見た目のことは考えられていないため、ハリガネはどうしても残っている歯の見えるところを通ります。

一方で、自費治療の場合は工夫次第でハリガネを見えないところに通すこともできます。また、ハリガネを目立たない装置に置き換えることも可能です。そのため、パッと見ただけでは入れ歯だとは気づかれにくいです。

④装着の違和感が少ない

保険の入れ歯では薄い金属を使えないため、入れ歯はどうしても分厚くなりやすいです。プラスチック製で強度に劣るため、最低2mmの厚みは、必要です。

自費入れ歯の場合は強度の高い金属を使用できるため、かなり薄く仕上げることが出来ます、0.5mm程度の厚みに出来るでしょう。そのため装着感がよく快適に過ごしていただけます。

⑤残っている歯に負担がかかりにくくできる

残っている歯を長持ちさせたいと思っていても、保険の入れ歯は、プラスチック製のためたわみが大きく嚙むたびに揺れが起こります。ぴったり合っている入れ歯であっても、残っている歯は、いつも微妙に揺れており、結果的に負担をかける場合が多く、残っている歯が揺れ始めると抜歯に至ることも多く、にお口の健康寿命が短くなってしまうことがあります。

自費入れ歯の場合は、強度が強く揺れにくいため、結果的に残っている歯に負担が小さく、また残った歯に固定効果が得られるような設計することも可能です。様々な細かい設計が可能なため快適で使い易く入れ歯も残っている歯も長持ちさせることが出来ます。

安価で早くとりあえず噛める入れ歯が作りたい方であれば、保険の入れ歯で十分です。費用と時間をしっかりかけてオーダーメイドのぴったり入れ歯を作りたい方あれば、自費の入れ歯がおすすめとなります。

毎日使うものであり、失った部分を補い失った機能を回復できる人工臓器ともいえるのが入れ歯です。自分に合った物を選ぶのが難しい場合は歯科医に十分聞いてみましょう。最初に申し上げたように入れ歯の「最終ゴール」を最低ラインに留めるのか高いレベルに設定するかで選択肢が分かれます。超高齢化社会が訪れており人の寿命まで歯を残すにはどちらが良いのか答えは出ますね。

むし歯の治療した後にどうもかみ合わせがおかしいです?

回答:噛み合わせは0.05mmのずれで違和感を覚えるものです。歯の感覚は、極めて鋭敏で繊細なものです。歯科医が丁寧に精密に調整しても最初は違和感を持つことがおおいです。ほとんどは一時的ですが2-3日しても感じるようなら再調整してもらいましょう。

0.05mmと言われても小さすぎて想像しにくいでしょう。お食事中、リズミカルに咀嚼していて何か違和感があり、口の中から髪の毛が出てきたなんてことはないでしょうか?実は髪の毛の直径を考えると私たちのお口は髪の毛の半分以下の大きさの物すら検出できるようになっています。

たとえば、むし歯などの治療で歯を削り、型をとり新しい詰め物をしたとします。そのときにしっかりとったはずの詰め物の噛み合わせに違和感を覚えるケースがあります。

噛み合わせというものは、全体の歯で均等に力がかかるように調節されています。ですのでたった1本、以前より少し高さが変わるだけで全体のバランスを崩してしまうのです。

また、部分治療を繰り返していると一回の治療ごとにマイクロ単位で噛み合わせがずれ、何度も治療をしているうちに、積もり積もってずれが大きくなることもあります。

噛み合わせを侮ってはいけません。不具合を放っておくと顎に余計な負担がかかってしまい、顎に痛みを抱えたり、顎関節症を発症したり、頭痛や肩こりを引き起こすこともあります。

噛み合わせが悪いと、食事のときにどちらか片方だけで咀嚼しがちです。片方噛みを続けているうちによく噛む側の筋肉ばかり発達し反対は萎縮するため左右の筋肉の厚さが変わってしまい、顔の歪みの原因になることもあります。治療を終えて噛み合わせに違和感が残る場合は、ためらわず歯科医にご相談ください。

治療後は歯の上に歯と違う材質で出来たものに置き換わることが多いので硬い感触を高いと感じることが多く、詰め物の高さに問題なくても一時的に高く感じることはよくあります。「硬い感じしますよ!」と患者さんにはお伝えしています。

では、すでに噛み合わせがずれている方の治療はどうするのでしょうか?噛み合わせが悪いからといって安易に歯を削ることは望ましくありません。削るという行為は元に戻れない行為だからです。

まずはどこに原因があるのかを探るために、マウスピースに似た装置(スプリントと呼びます)を就寝中つけてもらいます。これには筋肉の緊張を解く作用と正しい顎の位置を探す作用があります。現在の噛み合わせをリセットする装置で、顎のコリや痛みを改善させることが出来ます。顎のコリをとってどこの噛み合わせが正しいかを診断したうえで、少しずつ調節していきます。歯科医が噛み合わせを決めるのではなく、患者さんの楽な位置に誘導して正しい顎の位置にもどしていくのです。

治療中の歯をしばらくそのままにしているのですが大丈夫でしょうか?

回答:「絶対にダメです」と申し上げたいところですが、ご事情もあると思うので、「できるだけ早く」治療に行ってもらいたいです。

治療中の歯は、とても弱い状態です。

仮のふたや仮歯は何カ月も長持ちするようにできていません。その状態で置いておくと、穴が開いてばい菌がまた侵入してむし歯が進行したり、歯磨きもしづらくなって歯周病が広がります。最悪の場合、治療前より状態が悪くなり、歯が残せず抜歯になってしまうこともあります。

特にむし歯の治療や根の治療、被せ物や詰め物の型どりをした後の仮のふたの状態は非常に危険です。もし放置していたらなるべく早く歯科医院に行ってください。

また少し状況は違いますが、治療中の仮のふたがとれた場合や、詰め物が外れた場合もなるべく早く歯科医院に行ってください。仮のふたや詰め物が外れた歯は口の中のばい菌にさらされますし、隣の歯との位置や反対の顎の噛み合う歯との位置関係が変わってしまいやすく、一週間でも放置してしまうとせっかく型どりしても位置が変わり、作り直しになったり、とれた詰め物が入らなくなったりします。

詰め物や被せ物は劣化してしまうらしいですね。本当ですか?

回答:歯に装着した補綴物は毎日、食事のたびに負担がかかっています。そのため経年による劣化は必ず起きてしまいます。

補綴物はどうしても経年劣化を避けられません。お口の中の環境は過酷です。湿度100%で毎回食事のたびに10kg以上の圧が何百回と襲ってくるのです。

補綴物が傷んでしまったり、削れてしまったり、歯との間に隙間や段差ができてしまったり・・・、治療した歯はこれ以上虫歯にならないために予防と合わせて経過観察していくことが重要です。

治療した歯の寿命を延ばし、歯の寿命100歳を目指すには、①補綴物の周りにプラークなど汚れを残したままにしないこと ②トラブルが起こったらすぐに来院すること

もちろん自費治療の方が保険治療より補綴物の精度が高いので、より長持ちさせたいのであれば自費治療も視野に入れてみましょう。加えて、歯ぎしりの癖がある患者さんは補綴物や周りの歯が傷みやすいので、より注意が必要です。いえさき歯科では就寝時にマウスピースの装着をお勧めしています。

さらに、神経をとってしまった歯に出来たむし歯は痛みもなく気づきにくいので、より厳密な定期健診でのチェックが必要です。

治療した歯はどれぐらい持つかは本当に個人差がありますし、また治療した歯の状態によるので一概に「あと何年持つでしょう」ということは言いにくいです。ただ最近では、その歯の平均的な寿命がわかる歯の年齢診断プロというシステムも開発されました。こちらは歯の寿命を知ろうというシステムです。

私たち歯科医は治療するからには精一杯長持ちさせたいと思っています。長持ちさせたいのであれば、劣化しにくい良い材料を選び、治療終了後も定期的なチェックとメンテナンス続けることをお勧めします。

親知らずは必ず抜いたほうがいいのでしょうか?

回答:必ず抜歯するわけではなく、親知らずの生え方やその方のお口の環境によっても変わります。

こちらは患者さんからよく相談される質問です。

親知らずは智歯と呼ばれ、前から8番目の歯です。ご存じのように最後に生えて来る歯でだいたい18~20歳頃に生えるのです。最後に生えて来るので、生える場所がないことが多いので、まっすぐ生えることは珍しく、大半の方は横を向いて生えてきます。古代人の骨を見るとまっすぐに生えていたようですが、私たち現代人はやわらかい食事などにより、顎の骨格が退化傾向にあり、斜めや水平に埋まっていることがほとんどです。

奥歯はただでさえ歯磨きがしにくく、磨き残しが起こりやすい場所です。まっすぐ生えているならともかく、斜めに生えている親知らずのように頭だけ出ている状態だと完璧に磨くのは非常に難しいです。前の歯との間に食べかすや汚れがたまりやすいということは、むし歯にもなりやすいということでもあります。

この状態で放っていて、あるとき冷たいものがしみて気づくというケースもあります。親知らずの手前の歯の根の深いところにむし歯ができそれが進行してしまうと、痛みがひどい場合は抜歯せざるを得ません。手遅れになってしまうと親知らずの手前の歯までむし歯になり、どちらの歯も抜歯しなければいけない場合にもなります。

また、きれいに磨けないことにより歯周病にもかかりやすくなります。ひどいときには歯肉の腫れだけでなく痛みや、顔まで腫れてしまうこともあります。ここまで進行しなくとも、疲れがたまったときに腫れるなど症状を繰り返していると抜歯以外には根本的な解決法はありません。

また、女性の場合は妊娠中のホルモンバランスの変化にともない歯周病が進行しやすく、つわりなどで歯磨きが難しくなることがあります。そのため口内環境は悪化しやすく、親知らずの周りの歯ぐきは腫れやすくなっています。胎児への影響もあり飲める薬も限られてしまいます。

そこでまずはレントゲンを撮ってみて、歯の状態を診てみましょう。もしまっすぐに生えており、磨き残しもなくちゃんとケアできていれば、抜歯せずそのまま残しておいてもいいでしょう。

温存しておくメリットは、将来どこかの歯が抜歯することになった際、親知らずを抜歯した歯の代わりに移植できることです。条件はありますが、インプラントよりは安全でリスクの少ない方法です。

また、下の親知らずの抜歯の際、横に生え親知らずの根と下顎の骨の中の大きな神経とが近い場合があり、抜歯するときに神経損傷のリスクがあります。親知らずの大きさや生えている向き、深さなどの条件によって手術の難易度が左右されます。最近は、歯科医院にもCTが普及しましたので、CTを撮って3次元の映像を見て、しっかりと状況を把握し、抜歯するか否か、患者さんの現状を一緒に把握しながら考えていきます。

マイクロスコープ(顕微鏡)を使った治療とは?

回答:肉眼の数倍から数十倍に拡大して患部を捉え、治療します。

みなさんはマイクロスコープという言葉を聞いたことがあるでしょうか?簡単に言えば歯科治療用の顕微鏡です。以前から心臓外科や脳外科、眼科などさまざまな医療分野で手術の時に使われてきました。肉眼では捉えることのできない細部まで診ることができるので、近年では取り入れる歯科医院も増えてきました。

歯科の分野では、特に根管治療の際に使われることが多く、歯の奥深くの細かいところまで掃除するときに役立ちます。細く狭い歯根は0.1mm以下の物もあり、それらを見つけ掃除するのにも大変心強い味方です。

拡大して見ることで、歯を削る量を最小限に抑えることもできます。その他、普及とともに活用範囲も広がってきました。たとえば、歯ぎしりやかみしめなどによって歯には見えない細かなヒビが入ることがあります。そうしたミクロなダメージを見つけるのにも一役買ってくれます。

他にも歯周病の治療の際、精密な歯石除去を可能にしたり、被せ物の適合具合をチェックするときに使ったり、型どり前にむし歯の削り残しがないかの最終チェック、歯石除去やクリーニングなど歯科衛生士が予防処置に活用している歯科医院もあります。歯ぐきを切開する外科手術でも導入するところもあります。

細かな部分まで捉えることができる以外に、モニターに映し出し、歯科医などが患者さんにその様子を見せながら説明することができるメリットもあります。そうすることで患者さんの不安を取り除いたり、セルフケアへの意識を改善したりすることが期待できるでしょう。

現在のお口の中の状況を確認することができることで安心してもらえるので、患者さんとのコミュニケーションツールのひとつとしても有効です。

根管治療については、2022年4月より保険適用になりました。いえさき歯科にも装備していますので、顕微鏡を使った根管治療についてスタッフに気軽にお声がけください。

プラスチックの治療について詳しく聞きたいです。

回答:使い方によっては健康な口へ繋がる強い味方となる白いプラスチックです。利点欠点の両方からご説明しましょう。

プラスチック樹脂のことを英語ではレジンと言います。歯科では歯と同じような色をしたコンポジットレジンというものを使っています。セラミックやガラスをナノ粒子にして樹脂で固めたものですが、どういうときに有効なのでしょうか?

むし歯治療のとき、むし歯に侵されている歯はとり除かねばなりませんが、それを最小限に抑えることが出来る可能性のある材料です。

コンポジットレジンのメリットはまさにここにあります。型どりのために形をきれいに整える際、歯を余分に削ったりするほかの治療とは違い、むし歯になった部分だけを削り、修復することができるのです。もちろん、歯を削る量が少なければその歯の寿命にとってもプラスとなります。

もう1つのメリットは治療が1日で終わることでしょう。患者さんの来院などの負担も最小限に抑えることができます。金属やセラミックなどの詰め物のように、穴を削り広げた後に型どりを行い、後日装着のために来院して頂く必要はありません。コンポジットレジン治療はその場で修復できるのです。

また、コンポジットレジンの治療では、「接着技術」という歯と材料を直接くっつける方法で修復します。金属の被せ物と歯の場合、表面が歯車のように噛み合ってくっついているのに対して、コンポジットレジンは歯の表面を化学的に処理して接着します。文字通り歯と一体型になるのです。これもコンポジットレジンの大きなメリットの一つです。他にもセラミックも同じような特徴を持ちます。

ただし、この接着技術には環境整備が大事です。接着剤は水分が苦手で湿った状態では接着しません。血液や唾液に触れたり湿った空気の中ではうまくくっつきません。血液や唾液の海である口の中での接着にはいかに乾燥させるかが重要です。歯ぐきとの境目を修復する場合や、歯周病が進行していて出血が多い場合についてはコンポジットレジンと歯はうまくくっつきません。

さらに呼吸の中の水分にも弱いので、できるならお口の中から治療する歯だけを唾液から隔離する「ラバーダム」という装置の使用がお勧めです。

また、余りにも大きい虫歯だとコンポジットレジンの性質上、長持ちしにくくなります。なので特殊な処理をしたり、より高精度の材料を使うことになります。

接着技術の進化により今では小さなむし歯の修復から大きく欠けた歯を美しく修復する治療、審美修復治療など、さまざまなことに応用しています。

一般的な治療手順は、虫歯を削り取った後、薬剤処理をし、表面を接着剤で覆ってコーティングします。

そして歯に合う色のコンポジットレジンを丁寧に修復していきます。小さなむし歯なら10分程度、審美修復でも30分あれば治療が完了します。とにかく一回の治療で最後まで完結できる点は患者さんにとって大きなベネフィットでしょう。

他にも歯の変色を表面にコンポジットレジンを塗って改善する治療もあります。このように接着技術の飛躍的な向上によってコンポジットレジンの応用範囲が広がり続けています。

経年劣化により摩耗しやすい素材というと、着色汚れに弱いことがデメリットとも言えますが、反対に簡単にリペアすることができるとも言えます。着色が気になるときは表面を研磨して着色汚れの除去をしたり、欠けてしまってもすぐに修復することができます。経年劣化する程度も年々改良され続けていますので、今後されなる展開もあるでしょう。

治療後は、定期的なメンテナンスでの来院をお勧めします。治療経過を見たり、リペアを行ったりしてアフターケアを行うことで長期間美しさを保つことが出来ます。

「歯ぎしりや食いしばりをしているかも」と歯科で言われたけれど、家族に言われたこともないし自覚がありません。

回答:おそらく約半数の方が無自覚です。ご自身にやっているかどうかわからないからといって放置しておくと大変なことになる可能性があります。

歯ぎしりや食いしばりの場合、ギリギリ音がするタイプ(グラインディング)と音がしないタイプ(クレンチング)があり、その割合は約半分ずつといわれています。そのため歯ぎしり、食いしばりの自覚がないまま過ごしてしまい、「詰め物が何回もとれるな」「なんか治療した歯がすぐ壊れるな」「むし歯じゃないのにしみるな」などの、比較的地味な症状が長く続きやすいです。原因はストレスといわれていますが、いろいろな要素が複雑に絡み合って起きることもあり、まだはっきりとわかっていません。少なくともこれ以上歯にダメージを与えないためにも、就寝時の歯ぎしりや食いしばりをしている方は寝るときに歯を守る「歯ぎしり防止用のマウスピース」の装着をおすすめします。

また最近コロナ禍で皆さんストレスがたまっているのか、日中に食いしばりをされる方も増えてきています。人はボーっとしているとき上の歯と下の歯は噛み合っていないのが正常です。何かに集中しているとき、顎にぐっと力が入ってしまい、食いしばっていることがあります。食いしばりに力の強弱は関係ありません。あたっているだけで歯にはストレスが加わります。食いしばりはまずご自身で気づくところから始まります。まずは自分が何かに集中して食いしばっていないかチェックしてみましょう。

以下のチェック項目に当てはまれば、歯ぎしり、食いしばりをしている可能性があるので一度歯科医院でチェックされることをお勧めします。

・朝起きると顎が疲れている

・歯がすり減り、光沢がある

・歯が欠けやすい、折れやすい

・舌や頬に歯の痕がついている

・知覚過敏がずっとある

・治療したものがよく壊れる

・ぼこぼこした骨の出っ張りがある

などなど、気になる症状を感じたらぜひ歯科を受診してください。