こんな症状があったら歯周病かも!!
食べ物が歯の間にはさまる
食後、とくに繊維質のものを食べたときなどに、歯と歯の間に食べ物がはさまることがありませんか。
挟まり始めるのは、だいたい40歳を過ぎてくる頃で、食後に爪楊枝が必要になる人が増えてきます。
原因として疑われるのは、歯周病です。
歯周病は「歯を支える組織=歯茎の病気」です。その歯茎が衰えたり弱ってくると、少しずつ「支えられている歯」が緩んできます。少しぐらぐらするくらいでも隣同士の歯の接触関係が緩んでくると、そこに食べ物がはさまりやすくなります。
すなわち、歯に食べ物がはさまりやすくなってきたら歯周病かもと考えてください。
歯周病は、痛みがなく進行しますので、症状が出てきたころには、ひどくなっていることが多い病気です。
早めのチェックをお勧めします。
歯がぐらぐらしている
歯がぐらぐらする原因は、歯周病(いわゆる歯槽膿漏)と根尖性歯周炎(むし歯による神経の感染)があります。どちらも歯を支える組織が炎症を起こしている状態です。
炎症が軽度の場合、歯が浮いたような感じになりますが、重度になると指で動かしてもぐらぐらしているのがわかるようになります。
炎症が進むと歯を支える周囲の骨(歯槽骨)が崩壊してきます。支えが少なくなれば当然、歯はぐらぐらしてきます。歯を指で押したときに「引っ込んでしまう」くらいになると、歯槽骨の吸収が歯の根の全周に及んでいると考えられます。
こうなると歯周病はかなり重症で保存することが不可能になります。身体が「歯」を異物として「排除」し始めたことになります。
指で押すと歯ぐきから膿が出る
歯茎が赤く腫れている部分はありませんか?鏡でよく見てみましょう。
腫れた歯肉の部分を指で押すと膿や血液、あるいはねばねばした粘液が出てくる場合、その歯肉の下の部分に歯石が付いている場合が多いようです。歯周病としては初期の状態を過ぎていると思われます。
その部分を歯磨きすると出血することが多いです。歯ブラシによる出血は、炎症が起こっていて、そこに歯周病菌がいる証拠です。歯茎を磨くことでマッサージ効果が得られ、血行がよくなり、次第に出血しなくなってきますので、出血するところは、歯ぐきを気づ付けないように丁寧に時間をかけて磨いてください。炎症がとれて歯ぐきが引き締まってきます。そうすると歯石が見えてきて掃除も楽になります。
歯周病のいちばんの治療法は「正しい歯磨き」と言えるかも知れません。
前歯が少し伸びた気がする
鏡で前歯を見たときに、「なんだか少し前歯が伸びてきたな」と感じたことはありませんか?
昔の人は調理法が限られていたので、硬い食べ物や砂などが入っている食べ物を食べなければなりませんでした。その結果、顎がよく発達し、歯がよくすり減りました。歯の噛む面(咬合面)を前から見ても横から見ても平らな面になって、臼歯は文字通り「臼」のようにすり減りました。
しかし、現代人は柔らかくて栄養のあるものを食べるので、顎をよく使わなかったり、歯がすり減らなかったり、古代人とは大きく変わっています。
歯が長くなってみえるのは、歯がすり減らないから、あるいは歯周病で歯を支える組織が退縮してしまったからです。
歯周組織が退縮すると冷たい水がしみたり、露出した根に汚れが付きやすくなり、むし歯にもなりやすくなります。
タバコと歯周病は関係あるの?
タバコが肺がんや舌がんなどの口腔がんに関わっているという報告は以前からよく知られています。
最近ではタバコと歯周病の関係もクローズアップされるようになりました。
たばこの害は、以下のような因果関係から理解できます。
タバコに含まれるニコチンがお口の中の粘膜の血管を収縮させる
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歯肉の血流が悪くなる
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歯肉に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなる
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歯肉の細菌に対する抵抗力が落ちる
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タバコの煙によって唾液の分泌が少なくなる
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歯垢や歯石がつきやすくなる
他にもニコチンによる味覚の低下や歯肉の黒ずみ(メラニン色素沈着)、口臭などの原因になります。
一般にタバコを吸う人は、吸わない人に比べ3倍も歯周病にかかりやすく、また2倍も多く歯を失っているという報告があります。
また喫煙本数と比較して歯周病が重症化することもわかっています。たばこは、歯ぐきにとって一番悪いものと言えます。
ヤニのついた黒い歯も健康的とは思えません。たまには歯のクリーニングをして白い歯を取り戻し「禁煙」してみませんか?