予防

歯周病や虫歯の本当の原因は何でしょう?

予防歯周病について虫歯

歯周病や虫歯の原因は、何でしょうか?と聞かれたら、なんと答えられますか?

来院される患者さんに聞くとほとんどの方は、ばい菌が原因ですと答えられることと思います。

それは、正しい事実ですが、ばい菌が口の中に居たら必ず虫歯や歯周病になるのでしょうか?

いえ、そうとは限りません。

現在では、むし歯や歯周病になる本当の原因「マイクロバイアルシフト」であると言われています。

マイクロバイアルシフト⁇聞きなれない言葉ですね。

それでは『マイクロバイアルシフト』とは何でしょう。

虫歯と歯周病の原因は、過去を振り返ると、1930年頃は歯石、1960年にはプラーク(歯垢)とされてきました。2000年以降21世紀にはいってからは、歯垢から発展したバイオフィルムによるものと考えていました。

15年前くらいからその考え方も変わり、現在は新たに細菌の量ではなく質、つまり細菌叢(バイキンの集団)によって引き起こされることが分かってきたのです。研究が進み、細菌のことが詳細に解るように成ってきたということです。

そのキーワードと言われているのが、マイクロバイアルシフト(microbialshift)です!

マイクロバイアルシフトとは

通常お口の中にいる菌は大きく分けて3種類といわれています。善玉菌、悪玉菌、日和見菌と呼ばれているものです。
その比率は2:1:7と、日和見菌の割合が圧倒的に多いのです。
この中で虫歯菌や歯周病菌は悪玉菌に分類されています。

最も多い日和見菌はその環境や体の免疫などに状況によって善玉菌にも、悪玉菌にも変わります。

歯磨きができなかったり、食べてばかりでお口の中を不潔にしていると悪玉菌にとって居心地の良い環境になってしまい、悪玉菌の活動が活発になり、日和見菌たちも悪玉菌の味方になってしまうのです。

このバイキンの集団(菌叢)の変動をマイクロバイアルシフトといいます。

今まで保たれていた菌どうしのバランスが、何かの原因で崩れ、細菌叢の均衡が破壊されてしまうことを言うのです。

マイクロバイアルシフトを引き起こさないためにはどうしたらいいのでしょうか?

悪玉菌にとって良い環境を与えないことが一番です!

①甘いものや炭水化物などの糖質の過剰摂取を控えること
② コーラのような甘い炭酸水などの酸性飲料水を減らすこと
③ 毎日の歯磨きと、歯医者さんでのクリーニングでお口の中をいつも清潔に保つこと
④ 十分な栄養と睡眠時間を確保し体調を整え免疫力を保つこと
⑤歯茎から出血しているところを放置しないようにすること

とくに⑤が重要と言われています。なぜなら悪玉菌は鉄分を栄養とし繁殖する性質があるため、出血を放置しておくと、出血した血の中赤血球中のへモグロビンの鉄を食べて元気になります。悪玉菌が元気になり日和見菌を巻き込んで菌叢が悪くなり歯周病が進行してしまいます。

出血がある場合は、痛みがなくても何らかの病気のサインが出ております。
歯科医院への受診をお勧めいたします。

マイクロバイアルシフトは、自分では気づけないうちに起こることもあります。
お口の中のわずかな変化を感じたり、違和感を覚えた際は、歯科医院でお口の中を確認してもらいましょう。

歯周病や虫歯からあなたの大切な歯を失わせないためにも、予防は欠かせません。
「ちょっとのむし歯だから」「ただ歯茎から血が出ているだけだから」
と思っていませんか?

あれ?と感じたときに、放置するのかすぐに行動するかしないかで未来は変わっていきます。

まずは歯医者さんに行って診てもらうだけでも十分メリットはあります。
予防に早すぎることはありません。
将来のための予防を一緒に始めませんか?
私どもいえさき歯科は、いつもあなたの味方となって予防に努めます。