むし歯予防とフッ素
むし歯の予防としてよく知られているものにフッ素があります。
特に生えたての歯のエナメル質は成熟しておらずフッ素の効果が高いとされています。
現在フッ素はほとんどの歯みがき粉に含まれており、フッ素入りでない歯磨き粉を探す方が難しい状況です。
すなわち、歯磨き粉を使用していると知らず知らずのうちにフッ素によるむし歯予防をおこなっていることになります。
1990年代の歯みがき粉は30%から50%の製品にしかフッ素が入っていませんでした。
フッ素を使ったむし歯予防の方法にはフッ素洗口、フッ素塗布などがあり、歯科医院あるいは保健所、学校などで行われています。
近年歯周病により歯肉がやせ、歯の根の部分のむし歯が多くみられるようになりました。
個の根の部分のむし歯予防にフッ素の効果が再認識されるようになってきました。
また、フッ素はむし歯予防だけでなく、ごく初期のむし歯に対してもむし歯を抑制するという効果があります。
これは歯の再石灰化を促す効果があるためです。
しかし、穴があいたようなむし歯には効果がありません。
むし歯の予防は穴があく前の段階での話ですのでお間違えなく。
2015年より病院の薬の成分を市販薬に転用したスイッチOTC薬剤としてむし歯予防用のフッ素洗口市販薬が薬局で販売されるようになりました。
これにより歯科医院で歯科購入できなかったむし歯予防薬が薬局でも購入できるようになりました。
フッ素によるむし歯予防は子供だけでなく大人にも有効です。
しかし、フッ素だけに頼るむし歯予防は危険です。
むし歯はいろいろな要因で起こる病気です。
そのため予防にはいろいろな方法を組み合わせることが必要です。
むし歯予防を確実にするために定期的に歯科医院を受診、自分に適した予防法の指導を受けることをお勧めします。