メタボリック症候群と歯周病の関係
最近巷では、お茶から炭酸飲料まで、脂肪を吸収しにくくする特定保健用食品が大ブームです。
また、メタボリック症候群の予防のために始まった、いわゆる「メタボ健診」(特定健診・特定保健指導)が2008年4月より行われています。
メタボリック症候群(メタボ)は、食べ過ぎや運動不足など、悪い生活習慣の積み重ねが原因となって、内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)を共通の要因として高血糖、脂質異常、高血圧が引き起こされる状態です。
それらの症状が幾つか重なると、心筋梗塞や脳卒中などの命に関わる危険な病気を招くこともあるのです。
メタボの人は歯周病にかかりやすく悪化しやすいことが知られています。
歯周病は、お口の中の歯周病菌が歯の周りの骨を溶かして、最終的には歯が揺れて抜けてしますことさえある怖い病気です。
そして最近の研究で、歯周病はメタボの進行を悪化させ、危険な病気を招く可能性を高めることも分かってきました。
歯周病菌が作り出す毒素が血液中に入り、全身に回って、心臓病や脳卒中、糖尿病、肺炎などを引き起こすこともあるのです。
メタボの予防は、食生活の改善、十分な睡眠、禁煙、適度な運動など、生活習慣を改善することが基本となります。
歯周病の予防は、メタボの予防にも大きく関わっています。
原因となるプラーク(歯垢)を日々の歯磨きで丁寧に除去し、歯科医院で定期的に歯石除去を含めた健診を受けることが大切です。
また、よくかんで食べることは、殺菌・洗浄効果のある唾液の分泌を促し歯周病の抑制につながると同時に、満腹中枢が刺激されて食べ過ぎの予防にもなります。
メタボと歯周病を双方から予防することで、おいしく健康な日々を送ることができるのです。