お知らせ

口呼吸ほど悪いものはありません。

お知らせ子供の矯正筋機能療法

「這えば立て、立てば歩めの親心」という句がありますが、大人が思うのとは裏腹で、子供には子供のペースがあります。

寝返りができるようになり、ハイハイが始まり、つかまり立ち、歩行へと進みますが、子供にとっては順序と時期があります。同じハイハイでも手足の動きが変わります。立って歩くのも、しゃべるのも、子供は早く大人の仲間入りをしたいから自分のできる範囲で一生懸命に練習します。

大人の真似をして学ぶことが多いですので、この時期に正しい指導や見本をみせることが大切です。未熟な体で必要以上に無理をするとかえってよくありません。それは形として残るものも多く、その影響を生涯にわたって受けることもあります。幼児の骨格や関節は十分にできていないので、歩きだしたとしてもできるだけ負担をかけないようにして、十分な睡眠・休息がとれるようにしてあげましょう。

赤ちゃんはまだ首が発達途上なので、口で息をすることができません。肺と鼻とが気管を介して直接つながっているからです。大きくなるにつれて徐々に首が長くなり、気管と肺の連結部が外れることで口から空気を出せるようになります。その結果声を出せるようになり、その後話せるようになります。真っ赤な顔をして泣く赤ん坊はこの連結を外すのに苦労しているわけで、犬が吠えるように大きな力がいるのです。

哺乳類の中で、いつも口で息をすることができるのは人間だけです。それは話す機能を獲得したことによるもので、赤ちゃんにはまでその機能は備わっていません。本来、口は食べ物の入り口であり、声の出口なのです。体は口から空気が入るように作られていないので、口で息をするとさまざまな障害につながります。鼻詰まり、扁桃腺の腫れ、ぜんそく症状、いびき、唇のひび割れなどの簡単な症状からアレルギー、免疫病、自律神経失調症や生殖・泌尿系、消化器系、循環器系、血液の病気まで多く報告されています。

子どもが声を出し始めると、周囲の大人は喜んでしゃべらせようとします。単語が出始めると、文章を話させようとします。しゃべることは口から多量の息を吐くことですから、鼻からの呼吸では間に合わず口で息をせざるを得なくなります。せっかく鼻で息をしていた赤ちゃんが、一度にたくさんの空気を吸える口呼吸を覚えてしまうのはごく自然なことでしょう。でも、口呼吸を続けていると、人生の後半にいろいろな身体の障害につながりやすいので、小さいころから鼻呼吸を習慣づけておくことが大切です。

体の成長発育は、大人の都合で早くできるものではありません。じっくりと子供の成長を待つ姿勢が大切です。「這えば立て、立てば歩めの親心」の句に戻りますが、必要以上に無理にしゃべらせたり、必要以上に歩かせることはかえってマイナスになります。