人の寿命は伸びたけれど歯の寿命は
江戸時代、日本人の平均寿命が何歳だったかご存知でしょうか。今日からはとても想像できませんが、なんと37歳です。それが現在の統計を見ると、男性81歳、女性87歳と飛躍的に伸びました。とても喜ばしいことですが、問題もあります。
平均寿命に対して健康寿命という言葉がありますが、健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間と定義づけられています。(健康日本21より引用)誰もが、健康に長寿を全うし、要介護状態になってしまうことを回避するためには健康寿命を延ばす必要があります。現在健康寿命が男性で72歳女性で75歳となっていて、平均寿命との差が、男性で9歳女性で12歳あります。多くの高齢者は寿命が尽きるまでに、何らかの健康上の問題で日常生活が制限された期間を過ごしているということです。
歯の健康と健康寿命の関係
ある研究では、歯が多く残っている人や、歯が少なくても義歯等を入れている人では、歯が少なく義歯を入れていない人と比較して、年齢、治療中の病気や生活習慣などの影響を取り除いても、その後に認知症発症や転倒する危険性が低いということがわかってきています。また歯の数や入れ歯の使用状態と認知症との関係を見ると、これによると歯を失い、入れ歯を使用していない場合、歯が20本以上残っている人や歯がほとんどなくても入れ歯によりかみ合わせが回復している人と比較して、認知症の発症リスクが最大1.9倍になるということも解っています。歯が19歯以下で入れ歯を使用していない人は、20歯以上保有している人と比較し、転倒するリスクも2.5倍になることも解っています。また保有する歯が19歯以下の人は、20歯以上の人と比較して1.2倍要介護認定を受けやすいことも。つまり要介護状態になる危険性も歯が多い人ほど少ないこともわかってきています。
つまり元気な高齢者でいるには、できるだけ自分の歯を保有することが秘訣となりそうです。しかし万が一、歯を失ってもしっかり入れ歯を使えば、あらゆる機能は維持されるので、かかりつけ歯科診療所で相談しながら定期的なチェックが重要ということになります。
歯の多い人ほどまたはすでに自分の歯を喪失しても入れ歯等で、口腔機能を回復できている高齢者は認知症になりにくく、転倒も少ないということが疫学研究からわかってきています。歯が多く残っていることや、すでに喪失していても入れ歯等で口腔機能を維持することは要介護になりやすい疾患を予防し、健康寿命を延伸する可能性があると思われます。また最期まで自分の口から美味しいものを食べられるように、ぜひかかりつけの歯科医師にご相談ください。
ヒトの寿命は伸びていますが、歯の寿命は昔とあまり変わりません。人生を80年すれば、永久歯の平均寿命がその半分ぐらいといわれています。臼歯の場合は40年前後。いちばん長生きする犬歯でも、約60年しか持たないのです。長生きになったぶんだけ、入れ歯のお世話になる必要がでてきました。
現在、厚生省と日本歯科医師会によって、「80歳で20本の歯を残そう」という8020運動が推進されています。よく噛むことは健康づくりの第一歩だから80歳になっても、自分の歯で噛み、健康で長生きしようというのが趣旨です。
意地悪な見方をすると、国がそんな運動の後押しをするぐらい、歯を失う人が多いということでしょう。現状は20本どころではありません。80歳のお年寄りに残っている歯の平均は4本にすぎません。
わずか4本でもちゃんと食生活を営み、栄養を摂取できるのは、いうまでもなく失われた歯の機能を、入れ歯が補ってくれるからです。あまり入れ歯を嫌わないでくださいね。それがあるおかげで、私たちは安心して長生きできるのです。
この記事のお問い合わせ先:阿倍野区西田辺のいえさき歯科
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