お知らせ

口の中のばい菌の怖さを知っていますか??

お知らせ歯周病について虫歯

口の中のばい菌(細菌)

私たちのお口の中には、300種類を超える細菌が住み着いています。お口の中の細菌には良い菌もいますが、悪い菌の中にはむし歯を作ったり、歯を支える組織を壊して歯周病を起こしたりしてしまいます。それらの細菌は、お口の中の病気の原因となるだけではありません。恐ろしいことに、肺炎を起こしたり心臓病などの循環疾患や皮膚病の原因となったり、糖尿病など全身疾患にも関わってきます。

細菌は極めて小さい殺し屋である

私たちは普通の顕微鏡で細菌を観察しても、せいぜい1mmにしか見ることができません。さらにウイルスは細菌よりも小さく、電子顕微鏡を使わないと観察することができません。ウイルスは細菌の10分の1から100分の1ほどの大きさです。

地球の歴史は、46億年前です。そして30億年前には、すでに細菌が誕生していました。酸素のなかった時代に、炭酸ガスを酸素にかえたのが細菌の仲間たちです。今の温暖な地球環境を築き上げたのが細菌たちといえるわけです。そして、さまざまな環境に順応しながら細菌の仲間が増え、その生命は脈々と受け継がれています。私たちが生きていくうえで必要な細菌もいれば、人間の生命を奪う病原性の細菌も存在します。

20世紀半ばに、細菌を攻撃する抗生物質が発見され、細菌によって人間の命は奪われることはもうないと考えた人たちがたくさんいました。しかし、細菌はさまざまなものに順応できる能力をもっています。そのため、多くの細菌には、抗生物質が効かなくなってしまいました。それらは、耐性菌ともいわれるもので、ブドウ球菌から結核菌などさまざまな種類にのぼります。そして21世紀では、抗生物質が効かない結核菌によって人間の3分の1が命を奪われるとさえ言われています。

私たちの健康を脅かす細菌は、病原性細菌といわれるものです。それらの細菌は、私たちの体にひっそりと住み着いているものもいれば、外から侵入してくるものもいます。病原性の弱い細菌の中には、私たちの抵抗力が落ちるときを狙って仲間を増やし、命を奪いにくるものもいます。

細菌は、私たちの体の細胞にはないものをもっています。例えば、ブドウ球菌やレンサ球菌、結核菌には細胞を保護する頑丈な細胞壁と呼ばれるものをもっています。また、大腸菌やコレラ菌などは毒性物質からできている外膜というものをもっています。

細菌は、生体への付着や、菌同士で結合するために線毛という構造物をもっています。悪い菌は、白血球などに食べられて殺されないようにきょう膜というよろい(鎧)を身につけています。また、多くの細菌は、動き回るため足のようなべん毛という運動器官をもっています。その上に、毒素などの武器をもって私たちの命を狙いにくるわけです。

お口の中は、細菌のすみかです。

私たちは、お母さんのおなかの中にいるときは細菌にさらされません。ところが生まれてくるとすぐにいろんな細菌が口の中に住み着いてきます。さらに、歯が生えてくる頃からは、歯や歯の周囲にさまざまな種類の細菌が住み着きます。その多くはお母さんの口の中の細菌がうつることがわかってきました。例えば、食事中にお母さんと同じお箸やスプーンを使用して食べさせたり、スキンシップとしてキスをしたりなど些細なことで菌はうつります。むし歯の代表的な病原菌であるミュータンス菌は、お母さんの口の中に沢山いるほど子どもに移りやすくなります。

乳歯から永久歯に生え変わる時にも、いろいろな菌が口の中に住み着きます。また、思春期になると、大人になるためのホルモンが体内に流れるようになります。そのホルモンが、歯と歯肉とのすき間から口の中に滲み出すようになると、歯ぐきがはれて歯肉炎を起こし、歯肉炎の原因となる菌が増えてきます。さらに、歳をとって元気が無くなると、待ってましたとばかりに住み着くものもいます。それがカビの仲間でカンジダといわれる菌です。

口の中に住み着く細菌のほとんどは、口の中だけで生きています。なので、腸管内では生きていけないものがほとんどです。口の中の細菌は、歯の表面や歯の周囲、舌や頬粘膜、咽頭などに頑固にへばり着いてそれぞれの縄張りを作っています。

細菌が地球上の最初の生命として出現した時代、酸素はほとんどありませんでした。したがって、その細菌は酸素がなくても生きることができる嫌気性菌でした。私たちの口の中に住み着く細菌は、嫌気性菌です。歯の表面などは、ツバにおおわれており、酸素はほとんどありません。歯と歯ぐきの間に細菌が入り込んで溝が深くなると歯周ポケットができます。その歯周ポケットには酸素がほとんどなく、嫌気性菌にはとても居心地の良いすみかになってしまいます。

デンタルプラークは、細菌のかたまり!

デンタルプラークは、歯垢(しこう)とも呼ばれており、じつは、細菌の固まりでできています。いわゆる菌塊です。顕微鏡で観察してみると全部が細菌です。球状のものや線状の長い細菌がパックされた状態でみることができます。

長い線状の菌に球菌がへばり着いて、トウモロコシのようになったものもみえます。歯周ポケット内では、ラセン状のものや三日月状のものもみることができます。

デンタルプラークをバイオフィルムという言葉で表すこともあります。排水溝などいつも湿ったところにつくヌルヌルは、下水などにいる細菌が付着して一面に増殖したものです。手入れの悪い入れ歯がヌルヌルしてしまうのは、カンジダが一面にバイオフィルムを作ることが原因です。医療現場では、カテーテルのチューブにもカンジダ、ブドウ球菌、緑膿菌などがバイオフィルムを作って、さまざまなトラブルを起こし、死に至ることも少なくありません。

厄介なのは、バイオフィルムとなってしまうと抗生物質や消毒薬がほとんど効かなくなってしまうことです。

バイオフィルムともいえるデンタルプラークの細菌には、抗生物質が効きにくく、頑固に歯の表面に付着しているため、物理的に落とさなくてはなりません。うがいなどで洗い流されるものは食べ物の残りかすなどであって、バイオフィルムとしてへばり着くデンタルプラークは、うがいでは取れません。

爪楊枝の先端でデンタルプラークを採取すると、数mg採取することができます。そのデンタルプラーク数mgには、億を超える細菌が存在しています。また、唾液1mlにも10億もの細菌がいます。歯磨きをしなかったり、歯周病のある人の口には、100mgを超える1,000億以上もの細菌が住み着いていることになります。