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上の奥歯が生え始めたら

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上の奥歯(第一乳臼歯)が生え始めたら

「手づかみ食べ」ができるようになったと喜んでいられるのも束の間、1歳のお誕生日を過ぎ奥歯が生え始めた頃になると、静かな食事はできなくなります。

手を活発に動かしてコップをひっくり返す、手づかみでお皿の上の食べ物をつかんで床にこぼす、口からは食べこぼす・・・・この時期には赤ちゃんとの静かな食事はあきらめましょう。赤ちゃん同伴の外食も、この時期は避けたほうが得策でしょう。

この時期に、赤ちゃんは自分で食べることを覚えます。スプーンは使いたくありません。手づかみで食べさせる時期だと覚悟してください。消化がよくつぶしやすい食べ物なら何でも食べられますから、大人の食事を少しずつ分けてあげてもいいでしょう。赤ちゃんは、手づかみでたくさん口にほおばったり、食べこぼしたりしながら、飲み込める適度な量を覚えていきます。

指が上手に使えるようになるとスプーンで食べることができるようになります。つまみ食べ、手づかみ食べが、スプーンやお箸を使う練習になっています。赤ちゃんが無理なくスプーンを使えるようになったら、そろそろ授乳の終わりを考えてもいいですね。授乳をやめる時期は、育児の都合によってさまざまですが、食べ物をゴックンと飲み込むことが上手になり、一定の栄養量が食べ物からとられるようになったら、いつでも可能です。残るは、お母さんと赤ちゃんの気持ちの問題です。

離乳後のおしゃぶりはやめましょう

授乳の続いている次期に、おしゃぶりを使うことについて授乳の障害になること以外にほとんど弊害は報告されていませんが、離乳後のおしゃぶりは発育にとって好ましい習慣ではありません。子どもにおしゃべりする意欲があっても、おしゃぶりがじゃまで話せません。舌にとっておしゃぶりは余分なもので、舌がきちんと上あごの中にあれば、おしゃぶりが入る余地はないのです。

厳密に言えば、おしゃぶりを使う習慣のある子どもは、歯が前に突き出し気味になります。さらには生後24ヶ月を越えておしゃぶりを使ったこどもは、明かに出っ歯になる確率が高くなります。このため、米国の小児歯科医はおしゃぶりの使用を24ヶ月かそれ以前にやめさせるよう奨めます。

日本小児科学会と日本小児歯科学会は、少しおしゃぶりに厳しく、「おしゃぶりについての考え方」の中で、「発語やことばを覚える1歳すぎになったら(中略)常時使用しないようにする」「おそくとも2歳半までに使用を中止するようにする」としています。厚生労働省は、NUKおしゃぶりをめぐる訴訟をきっかけに、母子手帳に「おしゃぶりの長時間の使用」の弊害を追加しました。

寝かせ磨き、仕上げ磨きの楽しみを

歯が生えたら、お休み前に歯磨きをしてあげるようにしましょう。お母さんの膝に頭をのせて、お子さんと目を合わせて、お話しながら、歯の掃除をしてあげましょう。厳密にきれいに磨こうとする必要はありません。ちょっとコツをつかめば、お子さんにとって気持ちよく歯磨きをすることができます。歯科衛生士の実技指導を受けるのが一番です。

3歳までは寝かせ磨きが推奨されますが、ただ寝かせて磨けば用のではなく、お母さんが座り、子どもの頭が腹部につくようにすることがポイントです。そうすることで、口の中がよく見えます。口の中が見えない状態で磨いていると、歯の生えていないところや歯肉を一生懸命にゴシゴシしていることが多く、子どもにとって楽しいはずの歯磨きがつらいものになってしまいます。

寝かせて仕上げ磨きをするのが一般的ですが、泣く子どもを押さえつけて無理やり磨くのではあまり意味がありません。歯磨きを好きになってもらいたいからです。無理やりだとお互いに力が入り、痛みの原因となり、余計に嫌がるようになる可能性もあります。

嫌がる原因としては、つばがたまると苦しい(溜めたまま飲み込まない)、上唇小帯(うわくちびるをめくると真ん中にある筋のようなもの)にブラシが当たるといたいなどが考えられます。寝かさず、授乳をする格好(膝の上で横に抱えるスタイル)で歯ブラシを優しく口の中に入れ動かすだけで仕上げ磨きの第一歩は成功です。

最初は、うまく磨けなくてもいいのです。大切なのは気持ちよさです。耳の掃除と同じように、歯の掃除は気持ちのいいものです。気持ちがよくて、大事にされている実感がたっぷり得られますので、子どもにとって、これほど安心できて楽しい時間はないでしょう。口の中をきれいにしてから寝る習慣は、こうして自然に身に付きます。

ほ乳瓶の間違った使い方ーとくにスポーツドリンクやジュース

1.ほ乳瓶むし歯

生えたばかりの前歯の光沢がなくなって白く濁っている子どもを見ることがあります。今ではさすがに少なくなりましたが、なかには前歯がすっかりなくなってしまった幼児を見ることがありました。これは、ほ乳瓶で糖分の多い飲料を与えることによって引き起こされる「ほ乳瓶むし歯」です。ほ乳瓶むし歯には、上あごの前歯の表面と裏側、下あごの歯にはむし歯がないという特徴があります。

泣き止まない赤ちゃんを静かにさせ、寝つきの悪い赤ちゃんを寝かせようと、お母さんがほ乳瓶にスポーツドリンク(イオン飲料)や乳酸菌飲料を入れて、赤ちゃんの口に突っ込んでしまうと、生えたばかりの前歯がむし歯になってしまいます。市販の飲料には驚くほどたくさんの砂糖が含まれています。水分補給に最適と宣伝されているスポーツドリンクも例外ではありません。500mlに31g以上の糖分が含まれている製品もあります。これはスティックシュガー(3g)10本分に当たる糖分です。

2.寝る前のほ乳瓶+ジュースは絶対ダメ

1歳から1歳2ヶ月になると、前歯が生えそろいます。この時期に、ポタポタと長時間かけてジュースや乳酸飲料を与えられたのでは、生えたばかりの乳歯はひとたまりもありません。離乳期に、ミルクの代わりにジュースを入れるのは間違ったほ乳瓶の使い方です。赤ちゃんのうちにこれを経験してしまうと、甘いほ乳瓶が癖になってしまいます。甘いほ乳瓶をくわえていないと泣き止まない。こうなったらもう手に負えません。寝る前に、甘いほ乳瓶を与える習慣をつけてしまうと、寝ている間は唾液の分泌がほとんどないために、ひどいむし歯をつくってしまいます。

乳児に、果汁を与える場合、スプーンで与えるだけで十分です。ビタミンCが大切だと考え、たくさん与えても、おしっこに出てしまうだけですし、お腹を壊してしまうこともあります。水分補給のためには白湯、お茶などを与えるようにしましょう。

初めての反抗期

小さな奥歯(第一乳臼歯)が生えはじめる頃(1歳2ヶ月から1歳4ヶ月)、赤ちゃんは初めて「自分」を意識し始めます。自分の名前、自分のおもちゃ、自分の着るもの、食べるもの、なんでも自分で選ばないと気がすまない時期があります。こうしてしばらくすると、反抗期が始まります。喃語(「ンマー」「マンマ」)ではなく、ことばらしいことばを話し始めます。この反抗期に出会って、たいていの親は育児の最初の壁にぶつかるものですが、深刻に考える必要はありません。この時期に、ことば、知能、好奇心、社会性がめざましく発達します。

二語文をしゃべり始め、2歳のお誕生日までにめざましい発達をみせます。この時期、赤ちゃんとの会話が始まります。食べ物を噛むことで舌が発達します。前歯が生えそろい、舌が自由に動かせるようになると、「おたるたん」だったり「おしゃるしゃん」だったのが、いつの間にか「おさるさん」になります。

初めてのしつけ

赤ちゃんが自由に歩けるようになると、絶えず親の側によってきたがります。台所で炊事をしていても、風呂場でお風呂を洗っていても、すぐに寄ってきたがりますが、ここで必要に応じて毅然と制限することが大切です。そして反抗には厳しい態度を見せる必要があります。ここで、けじめをつけないと、子どもは不機嫌に甘え続ければ母親を思うがままに操れると学習してしまいます。そうなると、育児がいっそうストレスになります。上手に毅然とした態度を示すことができれば、反抗期は2歳になる前に終わるでしょう。2歳からの幼児の成長は、この時期のしつけで決まります。

かんしゃくを起こすのは赤ちゃんの発達のひとつのプロセスです。お母さんが、一緒にヒステリックになってはいけません。

誤嚥窒息を避けるために

食べ物の道(食道)と呼吸の道(気管)は、入口のところで交差しています。口から入った食べ物が、誤って声門を越えて気管に侵入してしまうと、赤ちゃんの域が詰まってしまう(窒息)ことがあります。乳児の個円は、重大な窒息事故につながります。

離乳期初期には、ウエハースやボーロのようなベビー用のお菓子でも窒息事故を起こすことがあります。この種のお菓子は乾燥しているために、たくさん口に含むと、のどの奥に運ばれたところで唾液を吸って急に粘着性を増すので、口に含む量に注意が必要です。

子どもの窒息事故の原因の多くは飴です。離乳期から2歳までの子どもには、とくに注意が必要です。飴を誤って飲み込んで気管に詰まらせ窒息する例がありますから、飴を与えるのは避けたほうがいいでしょう。

大きくなってからでも飴を舐めながら遊んでいると思わぬ事故を起こすことがあります。噛まない、食べるときに口を閉じない、おしゃべりをしながら食べる、急いで食べるという悪い条件が重なると、どんな食品でも窒息の原因になります。

誤飲事故に注意

2歳前のこのころは、何でもつかんで口にもっていく時期です。食べたり飲んだりしてはいけないものをのみ込んでしまう誤飲に注意が必要です。この時期の子どもは刺激の強い液体や嚙みつぶせない固形物でものみ込んでしまうため、致命的な事故につながる危険があります。洗剤や消毒剤など、家庭には案外危ない薬品があります。赤ちゃんの手の届かないところにしまいましょう。

この時期は、歯や口の外傷が多くみられる時期でもあります。外傷の原因の多くは転倒ですが、転倒でけがをするのは、まず頭、次に顔、指、そして口の中やのどです。口の中やのどの外傷では、ガラス瓶やスプーン、そして歯ブラシをくわえたまま転倒することによる外傷が多く、とくに子どもの歯磨きの時には目を離さないようにしましょう。

甘いもので誤魔化す癖

1歳6ヵ月ごろから始まる反抗期は、お母さんにとっては大きなストレスです。突然、聞き分けなく、かんしゃくを起こす子どもを前に、育児の自信をなくすお母さんも少なくありません。ひっきりなしに甘いものを与える悪い習慣は、多くの場合、この時期に始まります。赤ちゃんをいつも機嫌よくさせておきたい、うまく育児ができていることを周囲にアピールしたい。そんな思いから、赤ちゃんが不機嫌にならないように一日に何回もおやつや、甘い飲みものを与え続けるようになるお母さんがいます。赤ちゃんは甘いものがないと機嫌が悪い、そこでまた甘いものを与える。そんな悪循環に陥ってしまうことがあります。おじいちゃんやおばあちゃんが子育てをするときにはとくにこのような問題が起こりやすいので要注意です。子どもに甘えさせるのと、わがままを何でも聞いて甘やかすのとは、まるで反対のことです。このような悪い習慣は、多くの場合、この時期に植えつけられます。そうなると、むし歯や肥満がもたらせるだけではすみません。生涯の健康、そして子どもが社会できちんと生きていけるように成長する芽を摘んでしまうことになりかねないのです。

1歳半健診

1歳半健診は、なんだかお母さんの育児テストされるみたい、というのがお母さんの本音ですよね。身長、体重、遊びの話、発達の評価のほか、お医者さん、歯医者さんの健診を受けます。発達に障害がないか、ことばの遅れがないか、お母さんは心配です。でも、1歳半健診で見ることができるのは、子どもの一瞬の断面です。しかも、たくさんの子供がいるところに行くのが、お母さんにとってもお子さんにとっても初めての経験であれば、いつものようにリラックスできません。健診結果については楽観的に考えておけばいいでしょう。歯の健診も同じです。短時間の検査ですので、ふだん定期健診を受けている際に言われていることと違うことを言われるかもしれません。1歳半健診は、成長を継続的にみてお話をするものではありません。歯の1歳半健診では、①乳歯の生え方とむし歯のほか、②授乳の継続やほ乳瓶の使用状況、③おしゃぶり、指しゃぶりの頻度、④歯磨き、仕上げ磨きの有無などについて診査します。

ストローを吹く

ストローを使ったことのない子どもに、ストローを渡しても、すぐには使えません。コップにさしたストローから息を吹いてブクブク遊びをするには、唇を突き出してストローの周りにすき間をなくし、舌を丸めるように引っ込ませ、口から息を吹くことができなければなりません。発達障害がある場合には、ストローが吸えるようになるには意識的な訓練が必要です。とくに発達障害がない子どもでも、ふだん口をきちんと閉じていない子どもには、この遊びは意外にむずかしいものです。舌が上あごに収まらず、だらりと広がっている場合には、口も半開きで口唇の間から舌がのぞいてます。