動物が傷をなめるのはどうしてでしょうか?
動物がけがをした時、傷をなめます。どうしてなめるのでしょうか?
➀痛いから
②血がでているから
③傷を消毒するため
正解は、③傷を消毒するため、です。
唾液には、傷を消毒する働きがあります。
この働きをするのは、唾液にふくまれる“リゾチーム”という成分です。
ばい菌がたくさん入っていて液体が白く濁っている試験管に唾液を入れると、ばい菌が壊されて液体が透明になります。
これは、唾液の中のリゾチームがばい菌をやっつけたからです。
リゾチームは、かぜ薬や目薬にも入っています。
日本では歯を抜くと、歯医者さんから化のう止めの薬をもらいます。ところがモンゴルの歯医者さんに聞くと、口の中の傷は化のうしにくく、早く治るので薬を出さないそうです。
これは、唾液の中に含まれるリゾチームの働きのおかげです。
唾液1ml中に含まれるばい菌は約100,000,000個、皮膚の表面にいるばい菌は1㎠あたり2,000~3,000個で、圧倒的に唾液中のばい菌の方が多いです。歯を抜くと骨にまで傷が届くことがあります。もし、手や足に骨まで傷が届くようなけがをすると、化のうして入院することになります。しかし、歯を抜いて入院する、とはあまり聞かないと思います。それは口の中が唾液で守られているからです。
このリゾチームを発見したのはアレキサンダー・フレミングという科学者です。
アレキサンダー・フレミングは“カビ”から“ペニシリン”という抗生物質を発見してたくさんの人を病気から救いました。
リゾチームは偶然発見されました。ある日、風邪をひいていたフレミングは、ばい菌を育てる実験中のシャーレに、鼻水を落としてしまいました。すると、鼻水の周りのばい菌が発育しなかったのです。これがリゾチームの発見につながりました。
リゾチームのは唾液の他に、鼻水や涙などにも含まれ、体の表面でばい菌が入るのを防いでいます。口の中の傷が化のうしにくいのもこのためです。
皆さんは魚を触ったことはありますか?
魚の表面はヌルヌルしていますね。ここでもう一つ質問があります。
魚のヌルヌルをとると、魚はどうなるでしょう?
➀元気がなくなる
②元気になる
③泳ぐのが遅くなる
魚をつかんだ時、ヌルヌルして落としそうになりますよね。ヌルヌルが何かの働きをしています。
ヒントとしては、魚のヌルヌルには、唾液と同じ成分が含まれています。