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むし歯治療に使われる素材

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むし歯を治すために歯科医はいろいろな素材を使います。

大きく分けると金属、プラスチック、そしてセラミックの三種類の素材です。

今では、金属で歯を治した場合は見栄が悪いと感じる患者さんも少なくありませんが、一般的なのはやはり金属を用いた治療です。その理由は金属が最も強くて耐久性があるからです。

その一方で、プラスチックは自動車の部品にも使われるほど強くなったので、前歯を治療するときには見栄えを優先させて使用されることもあります。しかし、歯は日々、体重に近い重量を受け止め、さらにいろいろな飲食物と接するので、プラスチックで治療した歯は、すり減ったり、着色したりすることがあります。

では、セラミックはどうでしょう?

セラミックは衝撃に弱いイメージも解消されつつあり、金属よりも硬く、着色もほとんどしないので患者さんにも人気の材料です。しかし、セラミックは金属と比べると衝撃に弱く割れやすく、また加工が困難であるという性質があります。つまり、総合的にみるとプラスチックもセラミックも金属にかなわない部部が多いのです。

実際、私たちの周囲を見回してみると、電車の線路や車輪、高速道路の橋桁をささえるボルトなど、長い間、暑い日も寒い日も風雨にさらされ、常に大きな力が加わる場所には「例外」なく金属が使われています。

しかし、金属には見栄えの悪さや金属アレルギーを起こす可能性がある等の欠点もあります。

そこでこの欠点をカバーする方法として、金属の上にセラミックを焼き付けたり、プラスチックで金属を覆い隠したりといった工夫がなされ、その結果見栄えもよくなってきました。

さらにプラスチックにセラミックの粉末を混ぜることにより、すり減りにくく、着色も少ない材料が開発されました。

このように歯科の世界では、金属を使わないむし歯治療という並はずれた「例外」を目指して日々進化しているのです。