MFT

舌を十分使って表情豊かに育てる

MFTお知らせ子供の矯正筋機能療法

昔、耳を動かすことが出来るため、テレビで人気があったタレントがいました。大人になってからではいくら練習をしてもだめですが、小さいころに動かす練習をしておくと後々も動かせるようになるそうです。

体を動かす筋肉(骨格筋)は、自分の意志でコントロールできます。しかし、筋肉の中には内臓内の筋肉(内臓平滑筋)のように自分の思うように動かせないものも多くあります。胃や心臓を見ても分かるように、内臓の筋肉は不随意筋と呼ばれほとんど自分の意志で動きません。しかし、それらの筋肉こそが私たちの命を支えているのです。

犬は耳を動かして意思表示が出来るようですね。もともとは顔の筋肉として動かせるのに人では使わなくなり動かなくなってしまったようです。でも、神経がなくなったわけではなくきちんと残っていますから、成長過程の使える時期に練習しておけば動かすことが可能なわけです。

人の場合、顔の表情を作ることや噛んだり飲み込んだりしゃべったりすることは、小さな筋肉の共同作業です。多くの筋肉の調和が必要ですから、成長発育の中で適切な時期に正しく使い方を習得しておかないとうまくいきません。ハイハイから歩くまでを見ても、手足や体の動きに順序があることが分かると思います。

噛んだりしゃべったり表情を作る顔の筋肉は、大半が内臓に由来する筋肉です。だから、顔や口、のどの筋肉の動きは一度決まってしまうと変えることが難しいのです。

乳幼児がする品定めは、物をなめて、目で追って、指をさすなど順序立って起こります。物の硬さや形、性状を確かめるのに赤ちゃんは舌から使い始めます。この時期に十分に舌や唇を使わないと、動作と認識の間で十分な関連づけが出来ません。

舌には多くの機能があります。味をみるのも、食べるのも、しゃべるのも舌がなくてはできません。そしてそこには正しい形と動きが必要です。うまく使えないと、歯並びも悪くなるし、むし歯も増えるでしょう。さらに歯周病で歯が早くなくなってしまいます。

乳幼児のなめ回しは、食べ物を噛むことにもつながりますからさらに重要です。また、危険性の低い雑菌との出会いも大切で、細菌への抵抗力を高めるのにも必要なことです。

普段は意識しない口の動きですが、乳児期の練習の賜物です。幼児が手づかみで周囲を汚しながら食べるのも未熟だから仕方ないことです。そうすることで、手や口などを使う練習やさまざまな情報収集をしています。その習得には順序良く時間をかけることが必要です。さらに消化吸収との関係もうまくつくらないと、満足な成長や健康な生活は望めません。汚れを嫌がるより、汚れても良い環境でのびのびと食事をさせてあげましょう。大人の都合で、汚いからといって無理やりやめさせると、成長発育がうまくいかないこともありそうです。口を使う練習は、この時期にしておくことが大切で、大きくなってからでは間に合いません。

この記事のお問合せ先:大阪市阿倍野区西田辺のいえさき歯科

電話:06-6624-4500

HP:www.iesaki.net