プラーク(歯垢)と細菌
日本人の85%はむし歯にかかっているといわれます。成人であれば、「むし歯のない人はいない」と考えて、ほぼ間違いないでしょう。
むし歯というと子どもの好きなアンパンマンに出てくるバイキンマンを連想するせいか、どことなくかわいらしい印象がありますね。虫歯の絵本を見ると、ツルハシをかついだ小悪魔の絵が載っていますね。その印象に一役かっているようです。むろんむし歯には、そんな愛嬌はありません。
むし歯になる原因は、ご存知のように口の中のむし歯菌です。
私たちの口の中にいる細菌は300種類以上。唾液1㎖、つまり耳かき一杯分の唾液に10億~50億個もの細菌がウヨウヨしているのです。
口の中の細菌がみんな、むし歯をつくるわけではありません。悪さをするのは歯の表面に住みついた、ミュータンスと言われるたったい種類のむし歯菌です。
もしむし歯菌を見たいなら、食事の後つまようじの先で歯の表面や、歯と歯の間をこすってみてください。白っぽいネバネバしたものがくっつくはずです。食べ物のカスと思っている人が多いのですが、実態はまるで違います。
歯についている白いネバネバを、プラーク(歯垢)といいますが、じつはミュータンスなどのむし歯菌を中心とする細菌のかたまりなのです。顕微鏡でみるといるわ、いるわ。丸いの、長いの、鎖みたいなもの、ウジャウジャうごめいています。
このネバネバの中のむし歯菌が、食べ物の糖分やでんぷん質を分解したときにできる強力な酸が、歯を溶かしてしまうのです。虫歯菌と呼ばれるミュータンスは、特にネバネバが強いので、ツルツルの歯の表面にも簡単にくっつきはがすのが難しい性格を持っています。歯磨きも丁寧にしないと簡単に除去するのが難しいです。
「虫歯菌は、しつこい」が合言葉です。
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