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スポーツマウスガードの種類と特徴

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マウスガードの種類は、市販のものとカスタムメイドとに大別される。

市販のマウスガードは、スポーツ用品店等で購入できるため使用頻度が高い。カスタムメイドタイプは、歯科医師によって一人ひとりの口腔内に適合させて製作する。

市販のマウスガード

形態が一定で調整のできないストックタイプと、多少の調節が可能なマウスフォームドタイプがある。マウスフォームドタイプの代表的なものに、温水に浸けて軟化させた後、口腔内で趣旨により成型し、さらに噛みしめることで咬合が得られるボイルアンドバイトタイプがある。

1.ストックタイプ

市販品のストックタイプは、単なるアーチ型のゴム枠である。これは口腔内に装着するというより、口腔内に入れるような感覚のものであり、上下の歯で噛みしめないと落ちてしまう。このようなルーズなものは、小児の場合、時として衝撃を受けた瞬間に飲み込んでしまう危険性もある。

2.マウスフォームドタイプ

マウスフォームドタイプは選手自身によって調整されるため調整に慣れていないため適合が得られず、その結果違和感の強いものとなる。そして噛みしめていないと維持できず、開口すると外れてしまうものが多い。そのため、マウスガードの使用には装着時の持続的な噛みしめが必要となり、その結果、呼吸や発語を著しく阻害することになる。また、咬合関係も正中の不一致や臼歯のみの咬合しか得られていない場合も多く、不安定なために顎関節や咀嚼筋等に対するストレスとなり、顎関節症症状を起こす選手も多く見られる。

さらに、顎顔面頭蓋に衝撃力が加わった場合に局所的な咬合接触部が支店となり、より大きなひずみとして現れ、骨折の誘因となることが考えられる。これらの結果、多くの選手やコーチ等の関係者がマウスガードに対する誤った認識を持つことになり、所有していても実際には使用しなかったり、あるいは一度は使用しても途中でやめてしまうことに繋がる。

 

カスタムメイドタイプのマウスガード

カスタムメイドタイプのマウスガードは、適合性に優れたものを提供できるので違和感が少なく、また設計・製作時の自由度が高いために、選手の様々なニーズに応えることが可能である。さらに、正しい咬合や顎位を与えることができるという最も重要な点が含まれている。ストックタイプやボイルアンドバイトタイプの市販のマウスガードを使用すると、適合性などの大きな差異が容易に理解できるので、新しいマウスガードを受け入れる度合いは非常に高いものとなる。

1.ラミネートタイプ

加圧型の成型機でマウスガード材を奏上に貼り合わせることにより、必要な部分の厚みを増すことができる。また、中間層にアクリルなどの硬性材、市販の衝撃吸収材を挿入するなど、より衝撃吸収能の高いマウスガードを製作することが可能であり、その応用範囲は広い。ラミネートタイプの特徴は以下の通りである。

①適合性にすぐれているため、装着感が良い

②外傷の多発する前歯部を2層にできるので、予防効果が高い

③咬合面部も2層になるので、衝撃から歯列や頭蓋を保護できる

④臼歯部頬側を2層目の1層とすることで厚みのコントロールが行いやすいため、違和感の軽減を図ることができる

⑤1層目、2層目それぞれで咬合調整が行われるため、精度の高い咬合関係が得られる

 

2.ハード&スペースタイプ

カスタムメイドタイプマウスガードは、多くの報告が示しているようにその効果は高いものと思われる。しかし、コンタクトスポーツにおける選手の大型やスピードの向上、あるいはエクストリームスポーツ(フリースタイルスキー、スノーボード、マウンテンバイク等)と総称される速さや高さ、華麗さなどの過激な要素を有する技で得点を争う新しいスポーツの土台等により、通常のマウスガードでは防ぎきれない外傷があることも忘れてはならない。そこで、より安全性の高いマウスガードの普及、開発も今後視野に入れていくべきと思われる。

その一つにハード&スペースタイプマウスガードがある。軟性の材料を用いた、マウスガードによる外傷予防効果は、主に外力により生じるエネルギーを材料で吸収することにある。また、衝撃吸収能向上のため厚みを増すことが必要である。しかし、過度の厚みは装着時の違和感が強く使用を妨げ、未使用となることもあり、折角の安全性が発揮されないことも少なくないものと思われる。そこで、製作法が確立されかつ容易なラミネートタイプマウスガードを改良して、衝撃力を分散させ、かつ衝撃吸収能を向上させるタイプとしてハード&スペースタイプのマウスガードが開発され、実用化されている。

このタイプは、外傷の好発部位である上顎中切歯、補綴歯、外傷既往歯等の歯を積極的に保護することを目的とし、2枚のEVA材(エチレン酢酸ビニルアセテート)の間に硬性材(アクリルやポリカーボメート材)を挿入することで衝撃力を広く分散させると共に、より安全性を高めるため、マウスガードの内面と頬側歯面との間に1㎜ほどのスペースを設けたものである、しかし、唇面の厚みは3㎜ほどに仕上げることが可能であり、その安全性の高さから普及が望まれる。

 

3.インナーフレームLC(光重合材)を用いたハード&スペースタイプ

前項で解説したハード&スペースタイプであるが、製作に際しては他のマウスガードに比べて多少の熱錬を要する。そこで、製作が容易かつ安全性を担保した光重合タイプの中間硬性材を開発した。この光重合タイプの材料インナーフレームLC)は、2019年より市販されている。このハード&スペースタイプマウスガードの製作には、インナーフレームLCと1、3層目となるEVA材とを用いる。

 

4.バキュームタイプ

製作が簡便でかつ成型器、材料共に安価なため、低年齢用または普及タイプとしては有用である。また、本タイプの成型器は電源でがあればどこでも作業できるため、マウスガードの紛失または破損などで急拠製作する必要が生じた場合などに適している。しかし、製作時の過熱吸引及び咬合調整時に起こる厚みの減少により、十分な予防効果を上げることができないこともある。さらに、吸引型の成型器を用いるため、適合性にもやや不安が残る。したがって、使用する症例を考慮すべきである。

 

5.改良型1枚法

外傷頻発部位である上顎前歯部の安全性を確保するには、特にマウスガード装着時の前歯部における咬合状態が重要である。すなわち、マウスガード装着時、危険を察知した際の咬合により下顎前歯がマウスガード口蓋面に適切に均等接触して、唇・頬側のマウスガード材、上顎前歯、下顎前歯及び舌側のマウスガード材が一体化することになる。このことが、上顎歯を衝撃から強くサポートし、加わった外力の分散吸収を可能にするものとされている。

改良型1枚法マウスガードは、通常のバキュームタイプマウスガードあるいは加圧成型器を用いた1枚法のマウスガードの製作時の操作が簡便で、安価であるという利点を生かしたマウスガードである。すなわち、前歯部の開咬等の歯列不正があり、1枚法では古バランスの咬合が付与できない場合に有効である。

製作はいたって簡便で、シート状のマウスガード材をサーモフォーミングする前に、あらかじめ咬合の回復が望めない部位にマウスガード材を付与・調整し、その上にサーモフォーミングするだけである。改良型1枚法マウスガードは1枚のシートの使用で安全性の確保に不可欠なフルバランストオクルージョンの確立が可能で、これまでの1枚法タイプの欠点をある程度改良でき、普及タイプとしての利点は高いものと思われる。

 

6.上下一体型

上下歯列のマウスガードを接着させて、一体化したものである。硬質及び軟質のマウスガード材の2層からなり、呼吸がしやすいように呼吸孔が設けられている。これはボクシング競技に多く使用されているが、このほかに総義歯装着者がコンタクトスポーツを行う場合の外傷予防や、スポーツ中に下顎骨折を起こした時等の早期復帰を図る場合等に使用される。

上記のように市販のものとカスタムメイドのマウスピースの比較を行って見ましたが、やはりコストを除いては、カスタムメイドが優れており、安全性を第一に考えると、カスタムメイドをおすすめせざるおえません。作製を希望される方は、我々歯科医師にご相談下さい。

この記事のお問い合わせ先:阿倍野区西田辺のいえさき歯科

HP:www.iesaki.net

電話:0666244500