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あっ!この痛み!! むし歯なのでしょうか?

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初期のむし歯でしょうか?

初期のむし歯を気づかずに見逃してしまうことがあります。

むし歯の初期は、歯の表面が白濁することから始まります。歯の表面に付いた「歯垢」(プラーク)は、細菌が食べ物の中の糖分を分解して作った糊のようなベトベトした物質と細菌の塊でできています。この歯垢は酸性が強く、歯は酸に弱いため、歯の表面のエナメル質を溶かしてしまいます。

むし歯の初期はエナメル質の表面がこの酸により溶かされ(脱灰)ざらざらになります。顕微鏡で見ないとわかりにくい、このざらざらになった表面は光を乱反射し白く見えますが、しっかり歯を磨けば、唾液中のカルシウムによって再度固まって石灰化され、表面のざらざらはなくなり元にもどります。これを再石灰化と呼びます。

むし歯がもう少し進むと舌でさわってもざらざらが感じられるようになります。こうなると唾液による石灰化は期待できません。常日頃から鏡でよく観察したり、舌で歯の表面に触れざらざらしていないか確かめて見ましょう。虫歯は、早期発見が大切です。

 

歯がしみることがありますが・・・

冷たい飲みものやアイスクリームなどを食べた時に歯がしみることがあります。また、冬の冷たい外気に歯が当たってしみることもあります。冷た過ぎるもので歯がしみるのは、正常な歯でもあることですが、冷たいものでしみるというより痛みとして感じる様になると、むし歯の初期であることが多いようです。

「歯の神経(歯髄)」には五感のうち痛覚だけがあります。歯の外側は硬いエナメル質で覆われています。むし歯でエナメル質に穴があいたり、あるいはすり減ってしまったりして中の象牙質が露出すると、冷たいものや甘いものがしみるようになります。また、むし歯でなくても歯の生え際の歯肉が退縮して根が露出しても同じようにしみます。

象牙質には象牙細管というとても細い顕微鏡でないと見えない管が通っていて、そこには神経線維の末端が通っています。そこに刺激が加わるとしみるという感覚伝わるのです。

歯がしみるという症状には多くの原因が、考えられ単純には「むし歯」や「知覚過敏」と単純には言い切れないですが、虫歯と知覚過敏であることが多いことは事実です。しみる部分をよく鏡で観察してみましょう。虫歯は、早期発見が大切です。

 

歯の根元がすり減ってきた

歯の根元の部分がすり減って「楔(くさび)のように欠損」してしまうことがあります。冷たいものがしみたり、食事の時に楔状のくぼみに食べ物が残ってしまったりします。

以前は原因として歯ブラシの横磨きによる「すり減り」だと考えられていましたが、現在では、歯にかかる力が根元に集中して歯が削れた様にちびて来ると考えられています。ちびた部分に歯磨剤をたっぷりつけて大きく横磨きをすると、さらにそれを助長して大きく窪んでしまうので、歯磨きにも注意が必要です。

すり減りによる楔状欠損については急激な欠損ではないので、露出した象牙質部分に歯ブラシなどの機械的刺激や温度変化などの物理的刺激によって相当する部分の歯髄に第二象牙質が形成されたり、あるいは象牙細管が石灰化により閉鎖されたりして、あまりしみないこともあります。いずれにしても、露出した象牙質はむし歯になりやすいので、早期の治療をお勧めします。

 

どうしてむし歯になるの?

むし歯ほど原因のはっきりした疾病はありません。すなわち「歯質」「糖質(おもに砂糖)」「細菌(ミュータンス菌)」の3つの要素が合わさったときに発現します。最近では「時間」も要素に入れる研究者もいます。いずれにしてもそのうちのどれかがなければ「むし歯」はできません。

むし歯を防ぐいちばん確実なことは、砂糖を歯にとどめないことです。加工食品や調味料の中には知らずに砂糖が入っていることが多いようです。毎食後歯を磨くと虫歯にならないと迷信の様に信じている方もおられますが、あまり現実的ではありません。砂糖を歯にとどめない方法として、食事の最後に「温かいお茶」を飲まれることをお勧めします。

小学校の理科の実験を思い出してください、砂糖は水よりも温かい「お湯」の方が何倍もよく溶けることを。さらにお茶にはフッ素やカテキンが含まれています。また、楽しく会話しながら食事することも唾液の作用で汚れが付きにくくなるとの報告もあります。

ゆっくりとよく噛んで楽しく食事をし、最後はおいしいお茶を飲んで食事の余韻を楽しむことが、自然とむし歯予防につながるでしょう。

 

むし歯で穴があいた

初期のむし歯はエナメル質の表面が脱灰(カルシウムが溶け出す)されて白っぽく見えます。顕微鏡で見ると表面に小さな穴がたくさんあいている状態です。歯医者さんの探針(先のとがった金属の棒)で触ってもあまりザラザラしていない場合、しっかり磨いていれば唾液中のカルシウムで再石灰化され埋まってしまいますが、注意が必要です。そのままさらに進むと再石灰化によって塞ぐことはできなくなります。

むし歯で穴があくと、はじめの症状は冷たい水や甘いものがしみたり、食べ物が詰まったりします。見た目には小さな穴でも、中で大きな空洞になっていることもあります。また、歯と歯の間や奥歯の後ろ側などのむし歯は、気づいたときにはけっこう大きな穴になっていることもあります。

歯の外側のエナメル質はガラスのように硬くしっかりした組織ですが、内側の象牙質は有機質が多く、むし歯に侵されやすい組織です。とくにエナメル質と象牙質の境目は石灰化が弱く、エナメル質を通した小さなむし歯の穴から入ったむし歯は、この境目付近で側方に広がっていきます。ですから小さなむし歯と思っていた穴が、あるとき突然陥没崩壊することも考えられます。古くてゆっくり進行するむし歯は、黒や茶色ぽい濃い色をしていますが、急性のむし歯は、白っぽい明るい色のことが多いですので、よく観察してみましょう。

 

歯に大きな穴があいた

歯の4分の1以上がなくなったり、詰めてあるものの下に大きな空洞があるくらいのむし歯の場合、あまり痛くないことが多いものです。これは歯の神経(歯髄)が死んでしまったり、すでに根の治療をしてある場合です。

むし歯で鋭くとがったエナメル質があっても少しずつ進んだむし歯の場合、あまり気にしない人もいますが、エナメル質の鋭縁は舌を傷つけ、白板症やさらに進んで舌ガンの原因になったりしますので、注意しなければなりません。

歯に大きな穴があいている場合、一般的には根の治療をしなければならないでしょう。また、よく噛めなかったり、穴の中に食べ物が詰まっていやな臭いがしたりします。根の治療は見えないところの治療ですので時間がかかります。また、治療を怠ってそのままにしておくと、歯を抜かなければならないことになります。

歯がズキズキ痛む

歯がズキズキする場合、

  1. 歯の神経が炎症を起こす「歯髄炎」
  2. 歯の神経はすでに死んでしまって、炎症が歯根の外にまで及んでいる「歯周炎」

に分けられます。

歯髄炎の場合、細菌による感染が考えられますので、神経を取る(抜髄)必要があります。多くの場合、麻酔をして機械的に除去してしまいます。後者の場合、死んでしまった神経が細菌感染し、ばい菌が根の先から溢れ、炎症が歯の周りに波及するので「根尖性歯周炎」と呼ばれています。

どちらの場合もズキズキします。とくに熱いものを食べたり飲んだりすると、その部分の温度が上がり、痛みが増幅します。また、お風呂に入ったり就寝時など、体が温まると痛くなります。これは細菌が発生するガスによるものです。患部の温度や体温が上昇するとガスが膨張して圧力が高くなって組織を圧迫するためです。このような心臓の鼓動にあわせたような痛みを「拍動痛(はくどうつう)」と言います。

 

歯が1分以上しみる

歯がしみるくらいの初期のむし歯も、そのままにしておくと「歯髄炎」になってしまいます。むし歯で歯の神経が感染した場合、歯髄の活力度にもよりますが、多くの場合歯髄(神経)は死んでしまいます。しみる感覚が1分以上続くようでしたら、間違いなく「歯髄炎」になってしまったと考えられます。

歯髄(神経)にはいわゆる神経の他に血管やいろいろな組織に分化する間葉細胞が含まれています。すなわち歯髄を取ることは、その歯の栄養補給も絶ってしまうことになります。いわゆる「死んだ歯」になってしまうわけです。幸いにして歯根表面からの栄養補給がありますので、しっかり根の治療さえすれば身体から「異物」として排除されることはありません。

しかし、歯髄を失った歯は、将来歯の色が変わってきたり、細かいヒビが入って弱くなったりすることは否めません。その場合、歯冠をすっかり被せるような修復をされることをお勧めします。部分的な被せ物では残っている歯の部分が欠けてしまったり変色したりするからです。

 

歯をなんとか残したい

根管治療(歯の根の治療)は大変難しいものがあります。なぜなら顎の骨の中に埋まっている根の部分は直接見ることができないからです。

根の中の歯髄が入っていた部分、すなわち根管の形はそれぞれ歯によって千差万別です。扁平であったり、細く曲がっていたり、先でいくつも分岐していたりします。根管の唯一の確認方法はX線撮影ですが、X線は2次元的にしか写りません。

根管治療は、その歯を活かすための治療として時間がかかったり、とくにアメリカでは高額な治療費を請求されます。すなわち「歯を抜かずに使うことができるぜいたくな治療」だからだそうです。

さまざまな形の根管内にあった「歯髄」をきれいに除去し、そこに充填することは大変な労力と時間が必要です。見えない部分の治療ですので「完璧な治療」をすることは不可能に近いことと思いますが、歯髄にまでばい菌が入ってしまった歯の「延命術」として歯科医師は努力しています。

 

歯ぐきの付け根が腫れた

歯の生える際の歯肉が腫れる場合と、歯ぐきの付け根部分が腫れる場合とでは原因が異なります。

前者はおもに歯肉炎や歯周病によるものが多く、ほとんどは歯の周囲に歯石や歯垢(プラーク)が付いていることが原因です。ここでは後者の歯ぐきの腫れについて説明します。

むし歯によって歯の神経が感染して化膿した場合は、とても強い痛みがあります。何もしなくとも、心臓の鼓動に合わせたような拍動痛を感じることがあります。痛みがピークのときは、歯肉が発赤したり熱がでたり、口が開きづらくなったりします。そして腫れた歯肉はパンパンに硬くなります。このときは痛み止めの薬を飲んでも、なかなか効かないことが多いようです。ピークを過ぎると腫れはぶよぶよに軟らかくなってきます。そして腫れた粘膜の一部がやぶけて膿が出てきます。膿が出ることによって中の圧力が抜け痛みは治まってきますが、そのままにしておくとまた腫れて痛くなることの繰り返しになります。歯の付け根部分が腫れた場合