美人は口元から
私たちは、誰に教わることなく瞬時に口元を含めて人の顔を認識し、その要望が標準的か否かを判断しています。
「標準的な顔がすなわち美人である」とは限りませんが、口元の美しさには基準があり、その正面と横顔についてそれぞれを説明します。
まず初めに、顔を真正面から見たときの基準ですが、鼻の先から顎の下までの長さを「下顔面」、眉毛から鼻の先までを「中顔面」と呼びます。
中顔面と下顔面の長さを比べた時にほぼ同じ長さかやや下顔面の方が短く、かつ、唇が下顔面の真ん中にバランスよく位置しているのが標準的だと言われています。
また、笑顔の時に上の前歯の半分以上が見え、その上前歯のそれぞれの先端を結んだラインが、きれいな弓なりの曲線(スマイルライン)となり、微笑んだ際の下唇の弓なりの曲線と一致していることも理想の条件です。
それに加えて、前歯は白く、その中心線が顔の中心と揃っていると、さらに歯と口元のバランスがよくなり、きれいでしょう。
そして、唇の厚みにも平均値があり、上唇8ミリ、下唇10ミリであると言われています。
ただし、厚みは個性がありますのでおおよそ上下同様の厚みか、やや下唇の方が厚いのが標準的と思われます。
次に、顔を横から見た時に鼻の先と下顎の先を直線で結んだラインを「E-LINE」(エステティックライン)と呼びます。
このラインに上下の口唇が沿っているか同距離で数ミリ下がっているのが、美しい横顔の基準となります。
また、顔を横から見た時の鼻先と鼻の付け根を結んだラインと鼻の付け根と上唇の先を結んだラインのなす角度は、直角よりも大きい角度が理想的です。
これらは、上下の顎の出具合や上下の前歯の出方によって影響されます。
顔は、主に皮膚・筋肉・骨格そして歯によって構成されています。
骨格は、成長期におけるバランスのよい発育と関係し、成人でも頬杖などによって歪みが出たりします。
皮膚や筋肉は、かみ合わせのバランスが崩れると 筋肉が衰えて皮膚がたるみ、口唇の位置も下がってきます。
美しい顔と口元とは密接に関係していることを理解して、成長期の子どもからシニア世代まで口元を美しくするために歯科医との連携が大切なのです。