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筋紡錘の役割が大切

お知らせ筋機能療法

筋紡錘:筋肉の線維に平行に配置された紡錘状の小さな感覚受容器です。引き伸ばされると脊髄に信号を送ります。

運動制御の中では次の2つの働きをします。

  1. 筋肉が引き伸ばされる時、その変化をモニタリングして元の筋長に戻そうとする働き(不随意運動:反射)
  2. 筋肉が収縮する時、その変化をモニタリングして筋収縮を上手にコントロールする働き(随意運動)

 

姿勢制御における伸張反射の利用

伸張反射:筋肉が急に引き伸ばされると、一定の潜時の後、伸ばされた筋肉は収縮を起こして筋の長さを一定に保つように働きます。このような自動的な調節機構のことです。

これは、姿勢を作る時などの静的な自動制御に欠かすことができません。

顎口腔系では下顎安静位の保持調整に働きます。

これが筋紡錘の第一の働きです。

 

動作制御ではγ運動ニューロンが大きな役割を担う

筋紡錘は引き伸ばされる時(拮抗筋様態)にしか信号を送らないのであれば、筋肉が収縮する時(主動筋様態)には役立たないのではないかという疑問が生じてきます。

実はそのような時でも働けるよう精緻なメカニズムが用意されています。

そのカギとなるのが、微小筋肉(錘内筋)を動かすγ運動ニューロンで、随意運動時にα運動ニューロンと歩調を合わせて活動し、筋収縮を上手に動的制御するよう働きます(α-γ連関)。

 

咀嚼筋では開口筋には筋紡錘はあまりみられない

筋紡錘は細やかな動きが必要とされる眼輪筋や指先の筋肉に多く見られます。咀嚼筋では閉口筋に筋紡錘の存在が確認されますが、開口筋には筋紡錘はほとんどないです。

咀嚼時などものを噛む時には、歯根膜からの情報により、適切な大きさになるように調節されています。