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加齢による口呼吸

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オーラルフレイルはもうよくご存知でしょう。加齢により筋力が低下して食べ物や量が変化し、口腔機能が衰えていく現象です。この筋力低下は、口呼吸を引き起こしやすくもなります。

口蓋帆挙筋の機能低下に要注意

口呼吸と鼻呼吸の切り替えは口蓋帆で行われます。ここでみなさんも口蓋帆を意識しながら呼吸してみましょう。鼻から吸って口から吐く瞬間に、舌側にへばりついた口蓋帆がぴょこっと中咽頭の方へ移動するのを実感できるでしょうか。この口蓋帆は弁の役割をしています。うまくコツをつかむと、口から鼻から同時に呼吸ができるようになりますが、普段の呼吸ではそうはいきません。

口蓋帆の動きは口蓋帆挙筋が制御しています。加齢により口蓋帆挙筋の力が衰えてくると、口呼吸が増えていきます。また、この筋肉は、上咽頭へ食物の流入を防ぐために軟口蓋を上方へ引き上げますが、この力も弱まりますから、上咽頭へ食物が迷入する原因にもなります。さらに睡眠中の口呼吸のリスクも高まりますから、いびきなどの睡眠障害にもつながります。この他、重力の影響を受け、加齢により舌骨や甲状軟骨の位置も下がります。高齢男性だとわかりやすい見た目の変化として表れます。

 

口蓋帆挙筋の筋トレ

これらを改善するにはやはり"筋トレ"しかありません。嚥下時のむせの改善に「シャキアトレーニング」があります。もちろんあいうべ体操も必要です。

80代の男性は、後鼻漏とむせを主訴に受診されました。数件の耳鼻咽喉科を受診したようですが改善がみられないとのことでした。あいうべ体操、シャキアトレーニングを指導し3ヶ月で症状と容貌の改善をみることができ、本人もとても満足して診療を終えることができました。フレイルの怖いところは、変化が徐々に起こるところです。私たちはつねにフレイルや介護状態に向かって生きているとも表現できるでしょう。それを予防するため今から対策をとることですね。