歯とメタボ対策
以前より、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症は「死の四重奏」といわれ、脳梗塞や心筋梗塞、閉心症、閉鎖性動脈硬化症などに危険性が高くなると警告されていました。メタボと略されるメタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積が主体で、動脈硬化や動脈硬化につながる生活習慣病を引き起こすようです。
現在メタボの診断基準では内臓脂肪の蓄積が必須条件で、腹囲(へその高さで腹周り)が男性で八十五センチメートル以上、女性で九十センチメートル以上とされています。そして、血圧、空腹時血糖、血中脂質(中性脂肪、HDLコレステロール)のうち、二項目以上に異常が認められるとメタボと認定されます。
腹囲の大きい人では、多くの場合、内臓に脂肪が多くたまっています。他の条件は動脈硬化などで、血管が詰まったり破れたりして単独でもいろいろな病気になりやすいと言われています。
健康施策として「特定健康診査」と、メタボ対策が取り入れられ、健康指導が重視されるようになりました。これによって、さまざまな生活習慣病が引き起こされ、その症状がひどくなるのを防ぐことに役立てようとしています。
肥満を一言で言うと、「体内での過剰なエネルギーの蓄積」です。つまり、必要以上に体内に脂肪がたまった状態を肥満と考えるとわかりやすいでしょう。
したがって、食べすぎをやめるか、積極的に体を動かす、運動をするのもよいことです。メタボなどは慢性の症状ですから、急に改善できません。こつこつ努力することが必要です。また、運動をせずに食べる量を減らしすぎると、必要な筋肉が細くなり運動能力や体力、骨密度が低下するので注意が必要です。
メタボや肥満のある人には、歯周病がひどくなる傾向があります。具体的には歯ぐきが良く腫れています。また、血糖値の高い人では、歯の数が早く減ること、歯周病が早く進むことがはっきりしています。腫れている歯ぐきを改善すると、血糖値が下がることもあります。逆に、血糖値が改善すると歯周病が軽減してくることもみられます。
メンタルストレスの解消に、食べ過ぎることもあるでしょう。高カロリーの清涼飲料水を飲みたいこともあるでしょう。でも、取りすぎると危険です。とくに、冷たい飲食物の過剰摂取は内臓を冷やし、消化吸収や代謝など体内の化学反応をさまたげるので注意が必要です。
アメリカでは、肥満になる人は自己努力が足りない、自分の生活が管理できていないと注意されることがあるようですね。それは、口の健康管理にもまさしく当てはまることです。
肥満解消への一番のおすすめは、食べ方の改善です。しっかり噛んで食べることは、満腹感が早く生まれ、食べる量の減少と全身の筋肉を使うエネルギーの消費につながります。
食物は歯で噛み砕かれ、唾液をはじめ多くの消化酵素や胃腸の動きで消化され、少しづつ吸収されます。しかし、砂糖のように消化が不要な食材は、すぐに血液内に運ばれるので体に多くの負担がかかります。そのときの体の対応が「切れる性格」につながるという意見もあります。
噛むために必要なものは、健康な口で、歯並び噛み合わせが大切です。歯が抜けていたり、ぐらついていたりするのも好ましくありません。きれいに噛みあっていないと効率が悪いですね。鼻呼吸や姿勢も大切です。回数を多く噛むためには鼻で息をすることが必須です。噛む時には、首や背中の筋肉も仕事をしています。したがって、テーブルなら、椅子に座っても足をきちんと床につける、畳の上なら正座して背筋を伸ばすことが求められます。
噛むことは、小さい頃から培われてきた基本的な生活習慣です。子どもにしっかり噛ませるためには「良い手本」を周囲の大人が見せることが大切です。食材を選んだり調理方法を考えたりして噛む習慣をつけましょう。これが将来のメタボ予防につながります。
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