歯の病気に再発はつきものです。
歯科検診(健診)や健康相談に行くと、「すぐに悪くなる」、「あちこちで外れてくる」、「年に何回もお世話になる」というような声をよく耳にします。おもな原因は再発ですが、どうしてでしょうか。
歯科で扱う病気の大半は、むし歯と歯周病です。そして最近では、顎関節症の相談を多く受けるようになりました。
そのほか、歯並び・噛み合わせの異常、舌や口の中の粘膜に起こる口内炎・潰瘍・ポリープ・がん、唾液を作る唾液腺の病気、唇の荒れやひび割れ、噛むなど顎を動かす筋肉に生じる障害、顔面・神経麻痺・神経痛、味覚障害、各種腫瘍など顔の下半分に起こるさまざまな疾病や機能障害、あご・顔面の変形症などは歯科で対応します。さらに、歯や口やその周囲の病気が原因で心臓や腎臓、脳など他の場所に障害が起こる場合もありますから、原因として内科など他の診療科から相談を受けることもあります。
多くの方が歯・口の病気、とくにむし歯と歯周病では苦労しているようですね。年をとれば歯もあごも弱るものと思っていませんか。でも、よく診てみると、歯科治療の大半は再発によるものなのです。歯で困っている方は、一度自分や家族のことを振り返ってみてください。
むし歯ができて詰めてもらっても、何年かするとまた痛くなることや詰め物が外れてしまうことがよく起こります。次に治療しても、また悪くなる。その繰り返しで、歯がどんどん削られて神経をとってしまわないといけなくなる。こうなると、歯が割れると困るので、通常は金属冠でかぶせます。次に冠の中の歯がむし歯になって外れてしまうと、多くはその歯を抜くことになります。
一方、歯ぐきが腫れたり、歯が揺れて噛めなくなったりしても処置を受けると症状は落ち着きますね。でもしばらくすると、また痛んでくる。そんな繰り返しで歯がぐらぐらして歯ぐきに膿がたまってくると、抜くしか方法がなくなるのです。抜けた場所にブリッジや入れ歯を作っても、歯がなくなった原因を取り除かないから、次から次へと同じ病気が出てくるのです。
顎関節症も同じです。「口を開け閉めすると痛い」と言ってきた患者さんでは、一旦治しても数カ月、数年すると同じあるいはよりひどい症状にて再来院することがよくあります。また、歯並びを治す歯科矯正治療でも再発が起こります。見栄えの問題ではなく、でこぼこの傾いた歯は年をとったときに、噛む力に負けてしまうのです。そこで歯並びを治すのが、一度きれいに並んでも再発することがよくあります。
ほかの病気も同じように考えると、何度も風邪をひく人や熱を出す人、関節が痛くなる人、腰痛のある人など、一度原因を考えてみてはいかがでしょうか。規則正しい生活習慣や背筋を伸ばした姿勢、睡眠、呼吸など少し改めると、体の抵抗力を強め、再発を防げるかもしれません。
原因を取り除いて治療を済ますと、いい状態が長く続きます。材料の劣化による壊れもありますがそんなに頻発しないものです。定期健診にこられたとき、再発がなくきれいで十分に機能していたら非常にうれしく感じます。病気の原因を少しでも減らすように頑張ってみてください。
この記事のお問合せ先:大阪市阿倍野区西田辺のいえさき歯科
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