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口呼吸のプラークのつき方

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ステインの付着予防として、茶渋の注意点を伝えるだけにしていませんか?30代の女性が鼻呼吸障害で受診してきました。口腔内を観察し歯の裏を見るとステインが目立ちます。自分でも気になっているようでコーヒー、紅茶などは飲まず飲料は水のみ。歯科医院でもそのような指導を受けていますが、なかなか改善しません。どうしてでしょう。

 

ステイの付着にも空気の通り道が関係?

サルを使った研究を紹介してみましょう。サルの鼻孔を手術でふさいで完全に口呼吸しか出来ないようにします。そうやって口腔内を観察するとプラークのつき方に変化が出てきます。通常のサル(鼻呼吸)では歯頸部からプラークが付着しますが、口呼吸のサルでは歯の先端から付着します。さらに歯の口蓋側面にも目立つようになります。これは空気の流れを考えるとわかります。

口呼吸では、切歯は先端から乾燥します。空気は口腔内、上顎にそって肺へ送られますから、切歯口蓋側が乾燥します。(切端咬合の場合)。これがステイン付着の理由です。

 

鼻呼吸群と口呼吸群では、プラーク指数などに違いが!?

PMTCとホームケアをした2つのグループの比較です。そのグループとは鼻呼吸群と口呼吸群の2群です。両軍とも定期的にPMTCとホームケアを実施します。比べたのは唾液流量、唾液緩衝能、ミュータンス菌とラクトバチルス類の菌量が増えてしまい、プラーク指数も増えました。唾液の量は変わらないのに口腔内環境は悪化してしまったのです。これはまさに口呼吸の悪影響ですね。

ブラッシング指導しているから、きちっと定期受診できているから大丈夫ではなく、口が開いているか、閉じているかを観察する癖をつけると、どうして口腔内環境が悪化してしまうのだろうという疑問がお互いに解けるかもしれませんね。

患者さんの体を違った視点からときどき見るように心掛けると、見えなかったものが見えてくるかもしれません。ちょっと難しい作業ですが、私は精神化や耳鼻科の医師だったらどんなふうに考えるのだろうか、薬以外にできる治療法はないだろうか、なんてことを考えるように心掛けています。それでも自分のそれまでの考え、常識から飛びぬけることは難しいです。

この記事のお問合せ先:阿倍野区西田辺のいえさき歯科

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電話:0666244500