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舌の癖ーこんな舌には要注意

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舌は食べる、しゃべる、味わうなど多くの仕事をしています。噛むことは歯の仕事と思われるかもしれませんが、奥歯の歯の上に物を乗せたり、噛み切る位置へ食物を運んだりするのは、舌や唇の仕事です。話すときも唇や歯、舌の位置・形で声を調節しています。つまり、舌がないと食べることもしゃべることもできないのです。

舌は一かたまりに見えますが、多くの筋肉で構成されていて、上下前後左右によく動きます。その表面は粘膜ですからデリケートです。赤ちゃんはよく物をなめますが、これは物の性状や形を認識するためで、乳幼児の成長過程で必要なことと言われています。そして大人になっても微妙な舌触りや味がわかる鋭い感覚があります。

舌の使い方と歯並びには大いに関係があります。歯が生えてくるとき、舌と唇・ほおの粘膜との間に伸びてきます。つまり、舌の周囲に歯が生えてくるのです。内側へ倒れた歯が多いあるいはあごが小さいのは、成長期に歯が十分に働かなかったこと、うつ伏せや横向き寝で外側から圧迫したことが主な原因です。

しっかりと回数を多く噛むことは、舌の動きを介して、歯を適切な位置に並べるために必要なのです。逆に舌が出過ぎたり、口をぽかんと開いていたり、指や歯ブラシで引っ張ったりすると、隙間だらけの歯並びや前歯が飛び出して上下で調和しない咬み合わせになってしまいます。

大人になっても歯は動きます。特に歯は横からの力に弱いので、年を取って歯を支える骨が弱ってくると、歯の間に隙間が出来て、物が挟まりやすくなったり歯が前に飛び出したりします。とくに後者は歯が内側から前方へ押されている証拠で、舌で押していることやくいしばりなど口の閉じ方が問題です。歯の傾きは、歯が揺れて抜ける重症の歯周病になりやすい形です。

一度、唾を飲み込んで舌の位置を確認してみましょう。舌を前に押し出して前歯を裏側から押していませんか。

しゃべるときに舌がチョロチョロ見えるのも、前に出過ぎです。舌で歯を前へ押す癖では、まず舌の周囲に歯の型がでこぼことつきます。歯が前方に飛び出すとこのでこぼこはなくなりますが、舌は口の底でだらっと緩んで大きくなり、口は閉じにくくなります。

下の歯並びの中央に位置する舌は「低位舌」と呼ばれ、年を取ったときに、食べることや話すことにトラブルが起こりやすくなります。さらに、口の汚れが肺炎の原因になることもあります。

口呼吸習慣では粘膜が乾燥するので、舌の先に茶色い斑点が目立つこともあります。そのほか、舌全体が赤い、舌の表面が荒れている、ざらざらする、ひりひりする、舌に溝やまだら模様など炎症やさまざまな症状が見られるようになります。また、よく噛まず舌全体を使わないと舌の上中央部に汚れが溜まります。

このような舌の間違った使い方の多くは、口呼吸習慣や誤った口の使い方の模倣により乳幼児期に習得したものです。周囲の大人が気をつけて正しい手本を見せましょう。年を取ってからでは直すのも大変です。間違った使い方はなるべく早く直しておくことが、一生の健康に役立ちます。

この記事のお問合せ先:阿倍野区西田辺のいえさき歯科

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