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鼻呼吸障害と口呼吸

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どのくらいの人が口呼吸をしているか調べてみると、報告によって口呼吸の割合は、十数%から80%近くになるほどバラバラな数字となります。これは自覚的、他覚的判断の違いによります。また、口呼吸(ここでは慢性的口呼吸状態とする)をどのように定義するかによっても異なります。口が開いた状態でも、鼻で呼吸している人もいますし、鼻閉がなくても口呼吸の人もいます。

 

「鼻呼吸障害=口呼吸」ではない

耳鼻咽喉科領域では、鼻閉による口呼吸を「口呼吸」と言わず、「鼻呼吸障害」と表現します。鼻呼吸障害と口呼吸は同じではありません。近年問題となっているのは鼻呼吸障害による口呼吸ではなく、習慣性口呼吸です。もっぱら口で息をしていたり、つねに開口状態を呈する人です。気道抵抗が少なく、大量の空気を吸い込める口呼吸は、楽な呼吸法です。運動などにより体の酸素需要が高まり、1分間に35L以上の空気が必要になったときには、口呼吸へ移行します。口呼吸では100Lも換気できるのです。激しいスポーツをしている人に口呼吸が多いこともうなずけます。

 

喚起量が多ければ多いほどよい、というわけではない

ここで酸素解離曲線を考えてみます。ヘモグロビンの酸素解離曲線は、シグモイド型(S字)です。この曲線は、血液の成分が変わることにより変化します。酸性に傾いたり体温が上がったりすると、解離曲線は右へ移動します。(酸素を手放しやすくする)。逆にアルカリ性に傾いたり低体温になったりすると、左へ移動します。(酸素を手放しにくくなる)

口呼吸では、換気量が多いため、血中二酸化炭素分圧が減り、どちらかというとアルカリ性に傾きやすくなります。そうすると酸素を手放しにくくなるため、体のすみずみまで十分に酸素が行き渡らなくなるおそれがあります。過換気症候群では、血液pHが8に迫ることは珍しくありません。脳への酸素供給が減少し、脳貧血ひいては失神につながります。

この記事のお問合せ先:阿倍野区西田辺のいえさき歯科

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